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ここの地下はかつての持ち主が楽器の演奏の練習部屋にしてもので、ドアは分厚い二重構造になっており、地下だから当然窓もない…
『あの、多分下灯りないですよ？』
あぁ、と言ってお尻のポケットからスマホ出してライトを付ける
｢とりあえずこれでいけますよね？｣
そんな頼りない小さな灯りでは、あの部屋に私は行けないなって思った
『あの……実は私暗いところ苦手で、すみません。見てきてくれていいので』
そう言って平野さんに地下の部屋の鍵を渡すと
指先がほんの少しだけ、平野さんの指先と触れた
平野さんが階段を降りていくのを見届けてから、部屋にもどる
高い位置にある細長い窓に、雨粒があたっては流れていくのが見えた
最初はポツポツとしてたそれは、瞬く間に外の景色がわからないくらいの激しい雨となっていく
空が光っては、ゴロゴロと音がする
私は自分の腕をギュッと抱いて少し身をすくめてその様子を見ていた
「降ってきましたねー」
いつのまにか上がってきてた平野さんの声がして、ハッとする
『ですね……』
｢すぐやんでくれるかなー？｣
『ですね……』
私はたいした返事もろくにできず、ただ同調の言葉だけ述べる
2人して、窓に目をやってると
ピカッと今までにないほど外がひかり、
それと同時くらいに地響きがするような、雷の音が轟いた
バチンっ
と簡易の灯りが切れて、辺りが暗くなる
まずい……
そう思った時には、もう心臓がバクバクしてきて、呼吸が浅くなる
ダメだ、ここでパニックになる訳にはいかない、平野さんに迷惑がかかる
そう思って呼吸を整えようとするも、恐怖心に支配されて上手く呼吸ができない
どうする事もできずにその場にしゃがみ混む、
手が小刻みに震えてきて、益々呼吸は浅く早くなってきた
私の異変に気づいた平野さんが
｢大丈夫ですか？！｣
慌てた声で、しゃがみ込んでる私の顔覗き込もうととする
『恐い……恐い……』
震え手で平野さんの腕を必死に掴んだ
｢大丈夫！大丈夫ですから！！｣
震える私の身体を平野さんが包み込む、
Tシャツ越しに感じる肌の温もりと、
甘くて爽やかな香水の香り……
あぁ、私の好きだったあの香りだ
そう思うと少し落ち着いてきた
平野さんはまるで小さい子をあやす様に、私の背中をゆっくりと一定のリズムで叩いてくれていた
時間にしたらほんの数分だったと思う、だけど私にはやたら長く感じる時を経て再び灯りがついた
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Riri(プロフ) - なおさん» 表現力が乏しくてサラリしか書けません(^◇^;)でも読みやすいと言ってもらえて良かったです。 (2019年6月8日 21時) (
レス) id: 0b07168624 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 何かすんごく好きなタイプのお話です。サラリとしていて読みやすい (2019年6月5日 22時) (レス) id: ce6d275439 (このIDを非表示/違反報告)
Riri(プロフ) - shokun82さん» ご指摘ありがとうございます。また修正しておきますね。 (2019年5月24日 0時) (レス) id: 0b07168624 (このIDを非表示/違反報告)
shokun82(プロフ) - 意外と言う字を間違えすぎてて (2019年5月23日 23時) (レス) id: e323144fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riri | 作成日時：2019年5月5日 22時
