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『櫻井さんも、どうですか？』
「ありがとう。」
細長いグラスを2つとり、1つを彼に渡した。2階へ上がり部屋に入る。さっきの部屋よりはこじんまりとはしてるが、この部屋もやはり素敵だ。
『ドアは開けたままにしといて下さい』
「？なんで？？」
『結婚してる人の部屋に入って、変な誤解されたくないので』
わかった、と頷くとドアは開けままにしてくれた。ソファに座るよう促される
『で、お話ってなんです？』
私のすぐ隣に彼が座ると
「随分、他人行儀だね。さっきから……」
『他人……じゃないですか。私達』
グラスのシュワシュワした泡を見つめる。なんの話をするか分からないけど、なるべく顔は見ないでおこう。彼のペースに呑まれてはいけない。
「そっか……」
と彼が小さく呟いた
「あのさ……俺、今度独立する事にしたんだよね。」
『そうですか』
いつかはするであろうと思ってた
『よかったですね。おめでとうございます。』
「で、俺としては優秀なスタッフを集めたいんだよ……Aさ、うちにこない？」
ビックリして、思わず彼の顔を見てしまう。何もなかったかの様に、普通にこんな話を持ちだす、彼の神経を疑った
『お断りします。』
少しも考える余地なんかない。
「んー、今の会社よりいいサラリー出すようにするよ？」
は？そう言う問題じゃない事が分からないのだろうか……
『お金の問題ではないですよ』
「今の会社に恩義があるからとか？」
『それもありますよ？……だけど、本当にわからないんですか？何も……何も無かったかのように、貴方の下で働けと？無理に決まってますよね？』
冷静に話そうと思ってたのに、感情が顕になってくるのがわかる。ギュッとスカートを握りしめてなるべく感情的にならないように自分に言い聞かせた。
『私より、優秀な人なんていくらでもいるでしょ？違う！？』
「俺にとってはお前が1番だよ……」
「この1年離れてみてそれが良くわかった、もう一度仕事でもプライベートでも俺のパートナーとして一緒にやって欲しい」
握りしめてた私の手に、彼の手が重なる
体が一気に硬直する…
『奥さんも子供がいるのに、よくそんな事言えるね。』
「そんなの、飾りだよ。」
何のためらいもなく、そう言い切る彼が厭わしく思えた
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Riri(プロフ) - なおさん» 表現力が乏しくてサラリしか書けません(^◇^;)でも読みやすいと言ってもらえて良かったです。 (2019年6月8日 21時) (
レス) id: 0b07168624 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 何かすんごく好きなタイプのお話です。サラリとしていて読みやすい (2019年6月5日 22時) (レス) id: ce6d275439 (このIDを非表示/違反報告)
Riri(プロフ) - shokun82さん» ご指摘ありがとうございます。また修正しておきますね。 (2019年5月24日 0時) (レス) id: 0b07168624 (このIDを非表示/違反報告)
shokun82(プロフ) - 意外と言う字を間違えすぎてて (2019年5月23日 23時) (レス) id: e323144fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Riri | 作成日時：2019年5月5日 22時
