Sweet Emotion【S.Hirano】

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平野さんて意外とギャップがあるんだな……

例えば今目の前でソフトドリンクを飲んでるんだけど、車できてるからアルコールを飲まないって訳ではなく、凄く弱くて飲めないとか

めちゃくちゃ強いお酒をガンガン飲んで、朝まで騒いでそうな見た目なのにな

ラムトニックを飲みながら平野さんをマジマジと見てたら、ん？って顔して小首を傾げられた

『いや、ここ当たりですねー、突き出しも凝ってて美味しいし……』

目の前にある、四角焼き物のお皿に品良くちょこちょこと盛られた突き出しをつまむ

しかし、こうやって平野さんと2人でご飯食べる事になるとは思ってもなかったな……何を話せばいいのだろうか？

メニューをみたり、無駄にスマホを開いてみたりする

あ！そーだそう言えば

『平野さんって、下の名前なんて読むんですか？』

名刺交換した時に一瞬気になって、すぐ忘れてしまってた事を思い出したから、話のネタにと思って聞いてみた

｢あーあれで、ショウって読みます｣

ショウ……

ショウって読むのか

別にとりたて珍しい名前じゃないから、こんな事いくらでもあるだろうけど、いくらか動揺してしまうのは、やはりまだ少し引っかかるものがあるんだろう

『そっかー、ショウ……か。』

｢ハイ！｣

元気よく返事をしたかと思えば、少しんーと考えるような顔みせた

｢あの……俺も聞いていいですか？｣

『ん？何だろ？』

とき聞かせば、少し間をおいてから

｢俺の事……苦手ですか？｣

『へ？』

思いもよらなかった質問に間抜けな返事をしてしまった

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