【A3!】監督の妹は双子ちゃん！？2 (ページ14)

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51話特別ページ14

ゆづきside

一瞬、電話に出るのを躊躇った

だって、あの万里からかかってくるなんて思ってもいなかったから。

それにきっと万里は私の事が嫌いになってるはず。

あの時、本気で目の前からいなくなってほしかったから、あんな言葉を言い放って自分自身、後悔してるけどもう遅かったから

ゆづき「はい……」

・

・

・

長らく続く沈黙

10秒か、1分か。

いや、もっと長い時間なのかもしれない

万里『＿＿な、ぁ……』

急に発せられたいつもの低い声

今までは落ち着くことのできたその声に、今はビクッと体を揺らす

ゆづき「な、に……？」

万里『あの…時。オレらに言った……帰れって言葉。アレめっちゃ効いてんだけど。』

ゆづき「うん…、ごめ…」

万里『別に謝ってほしいわけじゃねぇよ。』

ゆづき「え…、なんで？」

万里「あんとき、ゆづきちゃんが冷静じゃねぇ、っつーのも分かってたし……」

また沈黙になる

次は終わりが短かった

ゆづき「万里？」

私がそれを切ったから

万里『…オレがオレを過信しすぎただけだから。』

過信……？

万里『オレにとってゆづきちゃんは、めっちゃ大切な存在だから、ゆづきちゃんにとってもオレは大切な存在になってる気がしただけ。……だから、オレならって変に勘違いして……。カッコわりぃよな、オレ。』

正直、嬉しかった

万里がそう思ってくれてるのも

でも

私はダメなんだよ…な

それに＿＿

ゆづき「万里はカッコいいよ？なんでもすぐに出来ちゃうし。私も多分、万里は大切な存在。でもね？私にとって大切なのは、みんな同じ。万里も他のみんなも。」

万里『あぁ、知ってる……。』

それに……私は……

ゆづき「特別な……人がいるから。私が、今こんな所にいなければ、普通に万里と普通に会えてたなら……。万里だけじゃないかもしれないけど、他のみんなとも普通に会えてたなら、多分、誰かを好きになれてたかもしれない…なぁ……」

万里『特…別？』

目が熱い

視界がぼやけている

そんなもの流したくなくて、上を向いた

万里『特別なヤツって……誰だよ』