第１１３話 ページ25
＿映画終了後
自分「あー面白かったー！」
カノ「そうだねー!『能天気の子』、見に来て正解だったよ」
自分「普段明るくて能天気な主人公が、実は一番仲間のことを想ってて一人旅立つシーン！感動だったよねー！」
カノ「そうそう、まるで僕みたいな素敵な主人公だったよね。感情移入しちゃった！」
自分「んー修哉みたいってのはよくわかんないけど、素敵な主人公だったね！」
カノ「ええー？わかってくれない？」
自分「うーん、ちょっと理解できないかなーｗｗ」
カノ「ひどーい！僕はいつでもメカクシ団のみんなのことを想ってるよっ☆」
自分「あ、あのお店入ろー！あそこの雑貨好きなんだよねー」
カノ「え、無視？無視ですか？ねぇ、ひどくない？」
自分「ほら早くー！先みてるからねー！」
カノ「ちょっと待ってよ、すぐ行くからさー」
さっき置いていった仕返しだと心の中で思いながら雑貨屋さんを見始めた。そのお店が好きなのは本当で、可愛いインテリアやアクセサリーなんかが売っている。しばらくして修哉兄もきて、一緒に店内をまわっていると一つのストラップが目に入った。足が止まる。
カノ「どうしたの？」
自分「これ、可愛いなーって思って」
私が見つけたのは猫の色違いのストラップ。白黒二つのストラップを合わせると猫がぴったり寄り添って、しっぽの形がハートになるものだった。猫は可愛いけど、デザインは大人っぽくてお洒落なストラップ。修哉兄と付き合ってたら一緒につけれてたかな、なーんて。そんなこと無理だけど、と心の中で苦笑いして、また別の商品を見ようとしたとき、修哉兄が口を開いた。
カノ「僕、これ欲しいな」
自分「これ？このストラップ？」
カノ「うん。ねぇA、勉強会のお礼これにしてよ。黒の方がいいなー」
自分「ほんとに、こんなのでいいの？もっとこうなんか、別のじゃなくていいの？」
カノ「これが良いって言ってるの。いいでしょ？」
自分「わかった。じゃあ買ってくるね！ちょっと待ってて」
カノ「うん」
修哉兄はそう返事をしながらレジに並ぶ私の後ろに並んだ。
自分「あれ？修哉もなんか買うの？」
カノ「こっちの白い方買おうと思って」
そういって修哉兄は手にあるストラップを私に見せた。確かにペア商品として売り出されていたけど片方でも充分素敵なストラップだし、白いの買ってどうするんだ。わからなくて聞いてみる。
自分「…なんで？」
カノ「これは、Aへのご褒美！」
私へ？？
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作者名：莉々 | 作成日時：2017年6月18日 18時
