(祝)第１００話 或る日の…にて ページ12
あれ、ここはどこ？
気が付いたらてくてくと歩いていた。周りを見渡すとどこか分からないけど、見覚えのある風景が続いている。
タン タン タン
私が歩くのに合わせて隣から別の足音が聞こえてくる。隣をよく見るとそこにはカノ兄がいた。なーんだ、私は今カノ兄と、いや修哉とデートしているのか。ほら証拠に手だって繋いでいる。
カノ「…A大丈夫？なんか考え事？」
自分「大丈夫！幸せすぎてボーッとしちゃったみたいww」
私だけを見て、心配してくれている彼氏に私は笑顔で返す。そんな私を見て修哉も安心したようだ。二人で笑いながら歩く。幸せだなぁと思っていると修哉が急に立ち止まった。
自分「どうしたの？」
カノ「ねぇあの観覧車に乗らない？」
自分「いいよ！乗ろう！！」
二人で観覧車に乗り込む。外を見ると、空には満月と無数の星が、下には街の灯りがキラキラと輝いている。二人きりの密室、綺麗な夜景とロマンチックな雰囲気、二人の距離が自然と縮まる。
カノ「…知ってる？満月の夜にこの観覧車の頂上でキスをした二人は永遠に結ばれるんだって」
自分「そう、なんだ。あれ、今日って満月…？」
カノ「そう。だから今日Aとここに来たかったんだ。…A、好きだよ」
囁きながら優しく笑った修哉がそっと近付く。嬉しくて小さく笑ってから私もそっと目を瞑る。"大好き"という気持ちとともに、二人の唇が重なった。一旦離れてからまた重なる。そして徐々に激しくなっていく。熱い吐息混じりに
自分「しゅうやぁ…私も、好き…//」
カノ「…んっ…僕もっ好きだよ…！」
と愛を囁き合う。頂上はとっくに過ぎ、観覧車はもう残りわずか。それでも二人は止まらない。
自分「…ふぁ…んっ…しゅうや…！」
カノ「A、A、A…」
…
凛「…A！！起きてっ！」
自分「ふえっ？！」
凛「もう、いつまで寝てんの？もう授業始まってるよ？」
自分「はぁーなんだぁー夢かー」
凛「なんだぁーじゃないわよ。テスト前だってのに呑気ねぇ？」
果梨「あっやっとA起きた！多分そろそろ先生に当てられるよー？」
自分「えっうそ！今どこやってる？」
果梨「えっとねぇ……」
＿其れは「或る日の"夢"にて」
実現するのはいつの日やら…？
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作者名：莉々 | 作成日時：2017年6月18日 18時
