再会できたのに私は忘れられてました。

45話 ページ46

煉獄さんは私の腕を掴んで離さない


それどころか掴む力が強くなっている


もう、私は煉獄さんから逃げられない


どうしたらいいの？


本当の事を話す？

いや、でも信じて貰えるの、、？

私と煉獄さんは恋人同士だったなんて言ったら
どんな反応される？


軽蔑されて、嫌われたりしない、、？


もしかしたらもう私に話し掛けてくれたり近付いてきてくれなくなるかもしれない


今みたいに一緒に歩く事も出来なくなるかもしれない


煉獄さんが私から離れていってしまう


それが一番怖い


早くここから逃げたい


「痛いです、、、！煉獄先生、、！」

私がそう言うと煉獄さんは冷たく言い放つ


「離したら逃げるだろ」



「、、、。」


図星を突かれて私は何も言えなくなる









「A。お願いだ。俺に教えてくれ。」


「、、、無理です」


私は煉獄さんの願いに「無理」だと言って首を横に振る


でも煉獄さんは引き下がらない


「A。」



そう言って煉獄さんは私の腕から手を離した

煉獄さんを見ると悲しそうな表情をしていて心が傷んだ



そんな煉獄さんの顔を見て罪悪感に駆られ私の中で何かがプツンと切れた



「、、、煉獄さんは覚えてないからいいじゃないですか」



「、、、！」


私が小さな声でそう言うと煉獄さんはピクッと反応する



「覚えている側は凄く辛いんですよ。気持ちが前のままだから」



「、、A」



駄目、


これ以上言っては駄目



そんな気持ちと裏腹に私の口は止まらない









「煉獄さん。私は貴方と恋人同士だったんですよ」






.

46話→←44話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す