12年前の元彼は私を見てくれない【松野千冬】

episode37 ページ38

「本当にそれでいいのかよA」



「うん。私は千冬の幸せの邪魔をするつもりはない。未来で幸せじゃ無かった分幸せになって欲しい、それに、、」



「、、？」



「美鈴ちゃん凄く綺麗な人でとてもいい人みたいだし私なんかよりずっといいよ」



「A、、」


「話はこれで終わり？」


「、、、あぁ」

武道はそう小さく返事する
でも武道はまだ何か言いたそうにしていたけど
あえて私はそれを無視した


「そう、じゃあ私は帰るね」

私はそう言って武道に背を向け歩き出そうとする

そんな時だった



「A！！」



武道が大きな声で私を呼ぶ

私はその声に驚きながらゆっくり振り返る


「ちょっと武道、声がデカ「俺は味方だからな！」


武道の一言で私の胸がどくんと鳴る


「武道、、」


本当に昔から武道は優しい

子どもの頃からそうだった

よく私に意地悪する男子達に立ち向かってたな

まあ武道は弱いからすぐやられちゃうんだけど

ヒナが言ってた武道はヒーローだって


確かにそうかもしれないね


「ありがとうね、武道。」

私はそれだけを言い残し公園を去った




ーーーーーー





「お兄ちゃん。マイキー君に会いたいんだけど連絡取れないかな？」


私は家に帰るとお兄ちゃんの部屋に行きお兄ちゃんに話し掛ける


「あぁ？」とお兄ちゃんは機嫌悪そうに雑誌をずらして私を見る
暫くの沈黙の後お兄ちゃんは大きな溜息を吐く


「、、、今日マイキー達と会う予定だから一緒に来るか？」


「え、、いいの？」


「だってお前マイキーにすぐ会いてぇんだろ？」


「ま、まあ、、でも邪魔になるんじゃ」


「俺は邪魔だがマイキーは喜ぶだろ」


「、、、お兄ちゃんは私の事邪魔なんだね」


「ったりめぇだろ、ダチと遊んでんのに妹なんか居たら誰でも邪魔だろ」


「はは、、」


確かに私とヒナが遊んでる間にお兄ちゃんが居たら凄く邪魔だな、、


「今日の20時に行く、遅れんなよ」


「わ、分かった」



「分かったなら、早く出てけ」

シッシとやるお兄ちゃんを尻目に私はお兄ちゃんの部屋を出た


「まさか今日会う事になるなんて、、」


もっと先になると思ってたから拍子抜けしてしまった


マイキー君に会うのはあの日以来


あの日の事思い出すと自然と脈が早くなるのを感じる



私は今日あの時の返事をしなくてはならない


でももう返事は決まってる



私はこれから人生のリベンジをする

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