episode29 ページ30
千冬side
「千冬君、今日は私に会ってくれてありがとうね」
「いや、全然大丈夫っす。美鈴さんは大丈夫ですか?体調とか、、、」
場地さんが生きていた時は学校帰りに場地さんと美鈴さんと俺とでよく3人でこの神社に来ていた
特にする事は無かったけどただひたすら喋っていた
あの時間が俺はすげぇ楽しかった
美鈴さんもよく笑っていた
でも場地さんが死んでからは美鈴さんは笑わなくなった
会う度に頬には涙の跡が残っていた
「もう、大丈夫。私吹っ切れたから」
美鈴さんはそう言って無理に笑う
その笑顔を見るのが凄く辛かった
「あまり無理しないでください。俺もまだ場地さんの事は吹っ切れてないですから」
そんなすぐ吹っ切れるわけない
俺だってずっと辛い
墓参りに行く度に泣いちまうし
何かしてないと場地さんを思い出しちまって胸が苦しくなる
場地さんの彼女だった美鈴さんはもっと苦しい筈だ
「うっ、、」
1人で考え込んでいると美鈴さんは何かが切れたかの様に泣き出す
きっと我慢していたんだろう
俺に気を遣わせない為に
「ごめんね、、っ 私やっぱり圭介の事吹っ切れられないの、、っ 」
「美鈴さん、、」
「デートの約束もしてたの!お揃いのアクセサリー買ったりして美味しい物食べたり、、っ」
「、、、」
「嘘つきだよ、、っ 圭介は、、」
俺は言葉が出なかった
場地さんだったらこんな時美鈴さんをどんな言葉を掛けるんだ?
どうやって慰める?
分からねぇよ、場地さん
場地さん何で死んじゃったんだよ
残される人達の事も考えて欲しかった、、
「美鈴さん」
「、、千冬、君?」
気付いたら体が勝手に美鈴さんを抱き締めていた
美鈴さんは最初は驚いていたけど徐々に慣れたのか俺の背中に手を回し抱き締め返してきた
俺はそれに答えるように抱き締める力を強くする
「美鈴さん、俺と付き合いませんか?」
これが正しい選択とは思わないけど
美鈴さんにとって場地さんの代わりになれば
少しでも気が紛れれば
それだけで十分だと思った
だから俺はこの選択に後悔はない
場地さんには申し訳ないけど
場地さんはもう戻ってこねぇんだ
俺が美鈴さんを支えてやらないと
「、、駄目っすか?」
美鈴さんは少し考えた後小さく頷いた
「、、、はい。よろしくお願いします」
こうして俺と美鈴は付き合う事になった
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きつね(プロフ) - 結祈華さん» コメントありがとうございますー!読んで頂いてありがとうございます!凄く嬉しいです!続編も読んでいただけると嬉しいです、、!頑張って更新しますね! (2021年9月11日 12時) (レス) id: 47a256a755 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - コメント失礼致します。こちらの作品、いつも楽しく読ませて頂いてます!!読めば読む程作品に引き込まれていって…こっからの千冬くんがどう動くかとか気になっちゃってます…((続編も楽しみにしてます!応援しております!頑張って下さい!! (2021年9月11日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
きつね(プロフ) - ぴぴさん» コメントありがとうございますー!いつも読んで頂いてありがとうございます!そんな事言って頂けるなんて凄く嬉しいです!励みになりますー!更新頑張りますので読んでいただけると嬉しいです! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 47a256a755 (このIDを非表示/違反報告)
きつね(プロフ) - 不思議の国の有栖さんさん» コメントありがとうございますー!私もそれしか考えられなくなってます笑でも頑張って覆るようにしたいと思いま、す笑多分 (2021年9月6日 23時) (レス) id: 47a256a755 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ - マイキーと千冬どちらと結ばれるのかとってもドキドキしながら読んでます!落ちがどちらにせよきつねさんの書く小説が好きなので、自分が書きたいように書いてください、応援してます! (2021年9月6日 0時) (レス) id: eb59e7ad0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きつね | 作成日時:2021年8月5日 22時