episode27 ページ28
万次郎side
「え、Aちゃんどうしたの?」
隣にいたエマが心配そうに俺に聞いてくる
ヒナちゃんもAを追い掛けるか悩んでる様子だった
「マイキー、Aどうしたんだ?」
近くにいたドラケンもAの事が気になったのか俺にそう聞いてくる
「分かんねぇ、けど」
でも、これで確信した
Aはやっぱり千冬の事が、好きなんだと
「俺、やっぱAを送ってくる」
「マイキー君!」
俺はそれだけを言ってバブに乗ろうとするとタケミっちが俺の後を追ってきた
「きっとAはこの神社の裏の道を通ってる筈です。あいつ辛い事があると家を遠回りするので、、」
「マイキー君、Aは何でも一人で抱え込んじゃうんすよ。でも今は俺が行くよりマイキー君に行って貰った方がいい筈だから、すみませんがよろしくお願いします」
タケミっちがそう言って俺に頭を下げる
俺は分かった と言ってバブにエンジンをかけ走り出した
ーーーーー
タケミっちが言っていた道を走っている途中、雨が降ってきた。最初は小降りだったのに徐々に雨足が早くなってきた
ハンドルを握る手が雨で滑り易くなる
早く見つけねぇと
そんな時だった数メートル先に雨でズブ濡れになって歩いてる女
近付くとやっぱりAだと分かる
Aは俺に気付いたのか泣いていたのを誤魔化す様に雨で濡れた袖で顔を拭く
俺はバイクを停め立ち止まっているAに近付く
「あ、、」
Aは俺が近付くと俯いていた顔を上げたが、すぐ逃げようとした
だから俺は逃げられない様にAの腕を掴んでそのまま抱き締めた
Aは驚いたのか肩を震わした
「な、んでマイキー君がこんな所に、、?」
ずっと泣いていたのだろう
Aは涙で掠れた声で俺にそう問掛ける
「何で帰った?」
Aから返事がない
だから思い切って言ってみた
「俺には言えねぇ事なのか?」
そう聞いた瞬間Aはただごめんなさい、と答えるだけだった
何で謝るんだよ
「マイキー君、来てくれてありがとうございました。でも、私、もう大丈夫ですから」
そう言って無理に笑うお前を俺はただ抱き締める事しか出来なかった
全然大丈夫じゃねぇじゃん
そんなに辛そうな顔をしてる癖に無理して笑うんじゃねぇよ
なぁ、何で千冬がいいんだ?
俺だったらお前をこんな風に泣かせねぇのに
「俺が、全部受け止めるから」
俺はそう言ってAを強く抱き締めた
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きつね(プロフ) - 結祈華さん» コメントありがとうございますー!読んで頂いてありがとうございます!凄く嬉しいです!続編も読んでいただけると嬉しいです、、!頑張って更新しますね! (2021年9月11日 12時) (レス) id: 47a256a755 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - コメント失礼致します。こちらの作品、いつも楽しく読ませて頂いてます!!読めば読む程作品に引き込まれていって…こっからの千冬くんがどう動くかとか気になっちゃってます…((続編も楽しみにしてます!応援しております!頑張って下さい!! (2021年9月11日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
きつね(プロフ) - ぴぴさん» コメントありがとうございますー!いつも読んで頂いてありがとうございます!そんな事言って頂けるなんて凄く嬉しいです!励みになりますー!更新頑張りますので読んでいただけると嬉しいです! (2021年9月6日 23時) (レス) id: 47a256a755 (このIDを非表示/違反報告)
きつね(プロフ) - 不思議の国の有栖さんさん» コメントありがとうございますー!私もそれしか考えられなくなってます笑でも頑張って覆るようにしたいと思いま、す笑多分 (2021年9月6日 23時) (レス) id: 47a256a755 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ - マイキーと千冬どちらと結ばれるのかとってもドキドキしながら読んでます!落ちがどちらにせよきつねさんの書く小説が好きなので、自分が書きたいように書いてください、応援してます! (2021年9月6日 0時) (レス) id: eb59e7ad0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きつね | 作成日時:2021年8月5日 22時