12年前の元彼は私を見てくれない【松野千冬】

episode21 ページ22

あれから2週間が経ち
未だにこの夢から覚める気配はない


「おいA、集会に行くぞ」


「へ？」

時刻はもう夜の21時を指し、夕飯も食べ終えリビングで寛いでいた所お兄ちゃんが私の元に来て機嫌が悪そうな声でそう言い放つ


「マイキーがうるせぇんだよ、お前を連れて来いって、母さんが居ると色々と面倒だが今日は母さんも夜勤でいねぇから問題ないだろ」



ーーー「また東卍の集会に来いよ」

そういえばあの時マイキー君私にそう言っていた気がする

でもあれから行く機会がなくてなかなか行けないでいた


「おら、早く支度しろ！先に外行ってるからな」


お兄ちゃんは私にそう言い残しリビングから出ていってしまった


お兄ちゃんの後ろ姿を見送った後私は重たい体を起こし出かける支度を始めた


ーーーーーー

ブロロ、、！


「お兄ちゃん早い！！スピード落として！！」

お兄ちゃんは出発から早々物凄いスピードで走る
マイキー君に乗せてもらった時より比べ物にならないくらい早くて私は必死にお兄ちゃんにしがみつく


「誰のせいで遅くなったと思ってんだよ！もう皆集まってんだよ！！」


お兄ちゃんは声を荒らげてそう言い放ち更にスピードを上げる

「それはごめんって本当にストップ！！怖い！」

私の制止の言葉は虚しくも届かず、それどころかスピードを更に上げられ、私は悲鳴を上げながらお兄ちゃんの背中に必死にしがみついた


ーーーーー



「着いたぞ、もういい加減離れろ」


「うぅ…」


バイクが止まり私はお兄ちゃんから手を離しフラフラしながらバイクから降りる

ふと周りを見渡すとそこは神社の近くの駐車場だった

少し離れた場所に沢山のバイクが停まっていて、20〜30人くらいの人が見え、バイクのエンジン音も聞こえる、


お兄ちゃんはバイクを押してその集団に近付いていく
私もお兄ちゃんの後をついて行った


「陸人さん、ちッス」

「おー」

集団の中に入ると何人かの人がお兄ちゃんに挨拶していく、お兄ちゃんは軽く返事して、ある人物の元に歩みよる


「悪ぃ、遅れた」


「陸人、今日は遅かったなってあれ今日はAちゃんも一緒？」


お兄ちゃんが声掛けた人物は三ツ谷君だった

「こ、こんばんわ！」

私は三ツ谷君に慌てて頭を下げる


「そんな頭下げなくていいって、マイキー達はあっちにいるぜ、行ってみな」

三ツ谷君はそう言って奥の方を指を差す
目を凝らして指を差す方を見るとマイキー君と武道、複数の人影が見えた

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