12年前の元彼は私を見てくれない【松野千冬】

episode12 ページ13

「あの、手を離してくれませんか？私今から用があるので…」

震える声で私がそう言うとマイキー君が反応し私を見て暫く何か考えた後手を離してくれた


「ごめんな。何だか俺勘違いしてたみたいだな」

「いえ、私があんな所に居たのが悪いので」


私は早くこの場から離れたい一心で皆に背を向け歩き出そうとした時だった

「おー、いたいたAお前塾はどうしたんだよ」

公園に入ってくる見慣れた男ーーー兄がこっちに歩いてきているのが見えた


「！？」


「あ、陸人じゃん」


「お、マイキーにドラケンじゃん。あと武道と千冬」


「え？」

兄がこの2人と知り合い、、？
どういうこと、、？

状況が読めない私は呆気に取られる




「陸人、お前今日勉強するとか言ってなかったか？もしかしてサボりか？」


ドラケン君が呆れたような声で兄にそう言うが兄はすぐそれに反論する

「お前らじゃねぇんだから俺がサボる訳ねぇだろ、俺はそいつを探しに来たんだよ」


兄は私に目を向けそう言うとドラケン君とマイキー君の頭上に？を浮かべる


「こいつもしかして陸人の女？」

マイキー君が私を見てそう言うと兄は笑う


「んなわけねぇだろ、そいつは俺の妹だ」


「「は？」」


兄の発言にマイキー君とドラケン君が私を見る


「お前妹居たのかよ」


「あ？言ってなかったっけか、あーでも千冬に言ったよなぁ？確か」


「あ、はい。前言ってましたね。でも実際に会ったのは今日が初めてですけど」

千冬はちらっと私を見てすぐ視線を外す

「…。」

「じゃあ取り敢えず紹介しとくわ俺の妹のAだ、仲良くしてやってくれ」

シシっと笑い兄は私の頭をくしゃっと撫でる


「ちょっと、お兄ちゃん…！やめてよ髪ぐしゃぐしゃになるじゃん」

私は頭の上に乗っている兄の手を払い除け兄から距離をとる

「別にいいじゃねぇか、可愛くねぇ妹だな」


「…もう！とりあえず今日私塾なんだよね？もう行くね」

私は逃げるように公園を後にした


千冬を一目みるだけで良かったのにまさかこんな事になるとは思わなかった


マイキー君、ドラケン君


あの2人にはこれから気をつけよう


怖いし、色々と厄介そうだし


そう思いながら私は塾に向かった

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