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「なー、腹減ったー」
「うん、ご飯出来てるよ。手洗ってきて」
「はーい」
洗面所の方へ向かう彼を背に、テーブルに料理を並べる。
結局何を作るか悩んだ結果、和食にした。
女子力とか考えるなら、もっとSNS映えするようなオシャレな料理の方がいいんだろうけど。
そういうのより、ほっこりするような料理の方が好きな私。
……別にいいよね！
得意料理でいいって言ったもん！！
「あ、うまそー！」
「和食にしたけど、よかった？」
「うん、俺和食好き」
「よかった」
「食っていい？」
「どーぞ」
「いただきます！」
彼が箸を伸ばして、料理を一口。
「美味い！」
「よかった」
「この間も思ったけど、A料理上手だね」
「そんなことないよ？」
「いや、俺Aの味付け好き。美味い」
そう言って次々と平らげていく彼。
これ美味い、これも好きなんて。
料理を口にする度に言葉にしてくれる。
こんなに褒めてもらったのっていつぶりだろう。
それがとっても嬉しくて。
「また作ってよ」
と言う彼の言葉にも、いいよって二つ返事。
「やった！」
子供みたいに笑う彼に
「可愛い」
なんてつい声が漏れてしまう。
「あ、今子供扱いしたろ？」
「してないよ？」
「可愛いって言ったじゃん」
「ごめん、嫌だった？」
「可愛いよりカッコいいの方がいい」
男の人はやっぱりカッコいいの方がいいのか。
でもちょっと拗ねてるみたいなその顔はとっても可愛いんだけどな。
これ以上は言わないけど。
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作者名：リオ | 作成日時：2018年9月5日 19時
