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「もう寝る?」
「Aは眠い?」
「そこまで眠いわけじゃないけど」
「じゃあもうちょっと起きてよ?」
「いいけど、何するの?」
「ん? こーゆーこと」
そう言って、彼がぎゅっと私を抱き締める。
急に抱き締められて、治まったはずの顔の熱がぶり返す。
「ちょ、ちょっと!?」
「あー、やっぱり」
「な、何がやっぱりなの!?」
「Aって、抱き心地最高」
……ん? そのセリフは……
「……太ってる、と言いたいんですかね?」
余分なお肉が付いているから、と?
「は? 違うわ。A細いじゃん」
「でも抱き心地いいって」
「太ってるって意味じゃねーよ。なんかこう、腕の中に納まる感じが絶妙」
確かにパズルのピースがはまるみたいに、彼の腕の中にピタッと納まる。
抱き締める腕の力も苦しくも痛くもない、でも落ち着く丁度いい感じ。
「昨日も思ったし、今朝も言ったんだけど」
「……何を?」
「俺とAって、身体の相性いいのよ」
「なっ……!?」
「抱き心地も、キスも、その先もすっげー気持ちいいの。俺の人生で、もうぶっちぎり一番」
「えー、と?」
「だからこうやってくっつきたい」
そう言って、抱き締める腕に力が込もる。
でもやっぱり苦しくないし痛くない。
とはいえ、抱き心地に関しては私もよくわかったけど。
キスも、その先のことも、私には記憶のないことで。
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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月5日 19時