夢の中の物語、10話目 ページ12
「なんで...どうして....!!」
私があの時、手を早く握っていれば。
私があの時、早くあの話題に持っていったら。
私があの時、あの時...
アイツに邪魔されたからだ。
誰なの、あの人。
勝手に私達の場に入ってきて...
...寝よう、今すぐに。
そしたら、あの人に会える...
時刻は九時半。
昼寝でも許される時間だ。
そもそも、どうしようが私の勝手じゃないか。
寝よう。
布団を被り、目を瞑った。
?「おっ邪魔しまーす!!」
...タイミング悪いなぁ、ほんっと。
起きたばっかりで、起こさせないでよ...
眠い目を擦りながら、お茶の間に移動した。
蒼「あれ?あれあれあれあれあれ?起きたばっかりなんでしゅかー?」
「...うるさいなぁ...待ってて、今お菓子出すか──」
蒼「...ねぇ、A。」
キッチンに行く私の手を掴んだ。
「...どうしたの?」
蒼「アンタ、わんこと会った場所...お茶会ってことだからダイニングルームとかそこら辺だよね?」
「...そうだけど?」
蒼「その場所って...確か、暖炉があって、大きい窓があって、ベランダがあって...」
蒼空の言っていることは、正真正銘、あの夢の景色だった。
なんで、蒼空が...
「...どうして...?私、莉犬くんしかあの場所で会って...──まさか...!!」
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作者名:風音涼葉 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Satomi0224/
作成日時:2020年5月24日 8時