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いや、そこまでするなんて聞いていないのだが……と言うかいつまでここに居座るんだこの妖狐は。
｢あの、あなたはいつここを出るんですか｣
｢うん、明日君が出発するときに一緒にだよ｣
ということは、夜通しではないか。それにしたって、荷物はどうやって持っていくのだろうか。荷物を全て詰めて持っていけるような大きなカバンなんて手元にない
｢あ、ちょっと
そう言うと、引き留める暇もなく外に飛び出していってしまった。あの服のままで学校に戻るのだろうか。それにしても、退屈だ。そしてなにか物足りない。5分くらいして、1日食事をとっていないことを思いだし、夕飯を作る事にした。
そうして台所に向かったのはいいが、何を作るか考えていなかった。あの妖狐も食べるだろうか。だが、狐の好物なんてものは全く知らないので、考えようともせずに適当に作り始めた。
｢ただいまー。って、なにやってるのさ君は｣
｢夕飯づくりです。あなたこそ、その大きな荷物は何ですか｣
｢トランクだよ、学校規定のやつ。そういえば、君はいつまで僕に敬語を使ってるのかね｣
｢永遠にですね。年上にはきちんと敬語使うタイプなので。たくさん食べますか？｣
｢えっ、いや何を？そしてできればため口で話してくれた方がいいんだけどな｣
｢いやだから夕飯ですって。多分気を付けます｣
そこまで言って、うーんと唸りだした。そんなに考えることだろうか。30秒くらい経って気を使おうとしている可能性に行き当たって、口にしようとしたが、それは妖狐が返事をするのと同じタイミングだった。
｢うん、今日は動き回ったから多めに貰おうかな｣
｢あの、気は使わなくていいんですよ？｣
｢え、何で僕が君に気を使うの？｣
どうやら気は使っていなかったらしい。そっと安堵の溜め息をついて少し多めによそった。私の多めにと妖狐の多めにとでは私の方が多いだろうとの予想から、本能的に少し多めに変更した。
｢はい、どうぞ。結局妖精なんですか、妖怪なんですか｣
｢ありがとう。うんとね、正しく言えば種族的には妖精ってことになってるけど、実際は妖精と妖怪のハーフになるね｣
｢そんなのありなんですかね｣
｢まぁ、存在できてるってことはきっとありなんだろうね｣
妖精なのに妖狐とも違わないなんておかしいと思っていたら、ハーフだったらしい。これからもっと変なやつに出会うかもしれないと思うとゾッとする
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作者名：天川凛廻 | 作成日時：2017年12月24日 20時
