探して。＿＿＿振り向いて[らっだぁ]

彼は ページ6

景色は、突然変わった。


白い空間から、＿＿＿ここは、なんだろう。なんと表せばいいのか。


あえて言うならば洞窟のような。暗くて、寂しい場所。


そして、持っていたコンパスは妙な反応を始めた。



本当にこんなところに、Aがいるのか？


．．．分からないが、物は試しだ。



「Aーっ！」



．．．。



．．．いないじゃ、ないか。



さあ、どうしたものか。そんなとき、


「っ．．．＿だぁ＿？」



聞きなれた、声が。


「A！？」


「らっだぁっ！」


大好きな、声が。



ああ、なんだ。いるじゃないか。


「よかった．．．無事会えて」


つい本音を漏らすと、彼女は


「私も。らっだぁが死んじゃったことは少し悲しいけど、こうして会えたことが嬉しい」


何て、可愛いこといってくれる。ああ、そうだ。


「これ、返そうと思って」


いつか落としていった、Aの髪飾りだ。


「！それ．．．ありがとう」


俺は手渡す。お互いにふれあうことすら懐かしい。


「ねぇ、これの花言葉、知ってる？」


「．．．知らない」


「あなたを待っています、って言う意味なの」


「そっか」


可愛いこといってくれる。

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