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第五話 ページ7

「失礼ですが、もしかしたら東都大学の方ですか?」
「え?」


突然、そう聞かれた。
確かにそう。でもなんでわかったのかな。この辺に学校なんて山ほどあるのに。
「あなたがご覧になっているそのテキストと、ノートのタイトルが見えたものですから・・・それって、東都大学の名物教授の授業でしょう?
よく一般人も潜りにくるような」

むむ、とむき出しになっているノートに目をやる。
よく見てる・・・ちょっと怖いくらいに。

「よくご存知ですね。でも大学生じゃないんです、院生です」
「へえ、院生ですか・・・」

彼は、わずかに口角をあげた。何か含みがあるような、そんな笑み。
私は店内を見回した。客は誰もいない。
こんなに人いない事ってある?


「実は知り合いに東都大の人がいましてね、ぜひ潜りに行きたいと思っていたんですよ。
その授業面白いですか?」
「まあまあです。大学の授業なんてつまらないですよ」
「それはそうですね」
なんて言いながら、しばらくお話をした。
・・・というか、させられた・・・?


話してわかった事がいくつかある。
まず、彼の名前は安室透。
この喫茶ポアロで最近働き始めたらしい。意外と20代後半らしく、私より年上だということには驚いた。
探偵の弟子入りをしているそうで、謎解きが好き。
そして、なぜか私に興味を抱いているよう・・・。

「Aさんとお話するのとても楽しいですね。今度よかったらお茶でもいかがですか」
なんてことを言ってきたり。
流石にちょっとどういうことかわからないよ。
こんなにかっこいい見た目をしているんだから、女に困っているはずはない。

別にそういう目で私を見ているわけでもなさそう。


確かにこの人と話すの、楽しいけれど・・・。
真意が読みにくい。
一体、何を考えているのかわからない人だな・・・。

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(プロフ) - iwaさん» コメントありがとうございます!いえ、私自身どちらか一人を選ぶとすると話の収集がつけられなくなってしまうため、もう一人はもう一つのストーリーで幸せになってもらうことにしました笑 今テスト期間のため、再来週くらいになったら更新再開します! (2019年7月10日 20時) (レス) id: 016d1e72e6 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - どちらもありのエンディング贅沢すぎて嬉しいです。お手を煩わせてしまって読み手として申し訳ないですが、たのしみにしています。 (2019年7月10日 20時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 亞里亞さん» ありがとうございます!それぞれのエンディングは今悩み中です! ただ幸せになって終わるだけじゃないかもしれないですが、楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2019年7月7日 19時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
亞里亞 - お疲れ様です!!赤井さんも降谷さんも大人なので最終的には幸せを願って身を引けるんだろうななんて今から泣ける準備してますね!! (2019年7月7日 15時) (レス) id: 6308b08dc9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 優愛さん» ありがとうございます!! 最近更新遅くて申し訳ないですが、ゆっくり頑張ります! (2019年6月13日 21時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月24日 0時

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