検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:96,238 hit

第四十六話 ページ48

大学は休学にした。とりあえず半期。
キャリアに穴を開けてしまうかもしれないけど、命のためなら仕方なかった。
それに、国外に留学するって選択肢もある。


私は一人になって、ゆっくり過ごしていた。
二人にもあまり会ってない。
今まではずっと降谷さんといたから、寂しくはあった。
だけどだいぶ気持ちは楽になった。
落ち着いて、自分の心を見定められるような気がして。


昼ごはんを終え、私はソファに腰掛けた。
ケータイを見ると、通知がきてた。
降谷さんからのメール。
『今日はポアロでバイトをしてます。
僕の創作料理が新しくメニューに加わったんです』
画像も添付されてる。
降谷さんて、料理うまいものね。

会わなくなっても、彼は毎日欠かさず連絡をくれた。
まめな人。私はクスリと笑う。
彼は本当に女心がよくわかっている。
怒ってもいいはずなのに、降谷さんは一歩引いて、穏やかに優しく、私に接してくれる。
女性だったら皆、降谷さんに惚れちゃうに違いない。


また通知がきた。
今度は秀一さん。
あの人からメールなんて珍しい。
『話がしたい。今夜行く』
たった一言。口数の多い人じゃないし強引なとこもある。
でも、あの人に委ねれば全てがうまく行くような安心感があった。
広い背中を、私はずっと追いかけてきた。
手をのばせば、両手を広げて抱きしめてくれる、あの人の大きさに私は惹かれてーー。


私は息をもらした。
最悪だ。天秤にかけるようなことして。
こんな状態、はやく抜けださなくちゃ。
どちらが好きなのか、そしてどちらが私をより愛してくれているのか。
そこにかけるしかない。
どちらかを選ぶとするならば・・・。


私は宙を見つめた。
それにしても秀一さん、何を話したいんだろ。
降谷さんが来ることはあったけど、秀一さんが来るのは初めて。

お部屋、片付けないと。

Part1終了!→←第四十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (110 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
277人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - iwaさん» コメントありがとうございます!いえ、私自身どちらか一人を選ぶとすると話の収集がつけられなくなってしまうため、もう一人はもう一つのストーリーで幸せになってもらうことにしました笑 今テスト期間のため、再来週くらいになったら更新再開します! (2019年7月10日 20時) (レス) id: 016d1e72e6 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - どちらもありのエンディング贅沢すぎて嬉しいです。お手を煩わせてしまって読み手として申し訳ないですが、たのしみにしています。 (2019年7月10日 20時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 亞里亞さん» ありがとうございます!それぞれのエンディングは今悩み中です! ただ幸せになって終わるだけじゃないかもしれないですが、楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2019年7月7日 19時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
亞里亞 - お疲れ様です!!赤井さんも降谷さんも大人なので最終的には幸せを願って身を引けるんだろうななんて今から泣ける準備してますね!! (2019年7月7日 15時) (レス) id: 6308b08dc9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 優愛さん» ありがとうございます!! 最近更新遅くて申し訳ないですが、ゆっくり頑張ります! (2019年6月13日 21時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年5月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。