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第二十六話 ページ28

夜。私はお風呂に入ろうとしていた。
タオルや着替えを持って、風呂場に向かう途中。
温泉街の散策、楽しかったなあ。

てくてく歩いていると、向こうから声が聞こえた。
「ねえイケメンさん! どこから来たのー?」
「教えてくれたっていいじゃない!」
派手派手しい女子の声。
ちらっと角からのぞいてみると、ソファに座って外を眺めていた安室さんに、可愛い女の子たちが群がっていた。
む・・・。

安室さんは困ったような顔をして首を傾げて見せた。
「ここの温泉混浴のもあるんだよ。一緒にどう?」
なんてこと・・・!
最近の若い子って羞恥心とかないのかしら!
ちょっとムッとしていると。
「あいにく連れがいるんでね。あまり声をかけてもらいたくないですね」
「連れって、さっきの地味め女子? あなたそんなにキラキラしてるのにああいうのがいいんですか?」
地味め・・・否めないけど流石にうっとくる。

そう、ずっと気になっていた。
私はそこまで可愛いわけではない。ちょっとお化粧頑張ってみようとしてるだけ。
しかも頭は割といいから、男からしたら生意気で可愛くない部類に入るのだろう。
それなのに秀一さんも、安室さんも、私のことを好きだって言ってくれた。
どうして?
・・・すべて、まやかしなんじゃないだろうか。


そう思うと途端に自信がなくなってくる。
安室さん・・・。



「初対面の人の想い人に対して失礼すぎやしませんか?」
それまで窓の外を見ていた安室さんは、初めて彼女らに目を向ける。
その目には、鋭い光。
「もう僕に話しかけるな」
そういって立ち上がり、彼の歩み出した方向は・・・。


私はとっさに逃げ出した。
なんかやだ。
どうしよう。
怖くなってきた。

彼が私のこと好きだって言ったのは、私から何かしらの情報を聞き出せると思ってるからかもしれない。
よく考えればそうだ。おかしいもの。
こんな人が、私を好きになるなんて。



「A」


外に出た私。月の光に照らされた。
冷たい空気に目を細めていると、後ろから安室さんの足音が。
「どうしたんです」
「なんでもないーー」
「嘘」
肩にポンと手をおかれる。
「僕が君を傷つけるようなこと、何か言いましたか?」
「言ってない・・・でもーー」
じゃあ、と安室さんは呆れたようにいう。
「あなたは他人の評価で自分の価値を決めてしまうんですか?」
・・・全部、わかってるんだ、この人。


意地悪。
私はしばらく黙って、その手の温もりに浸っていた。

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(プロフ) - iwaさん» コメントありがとうございます!いえ、私自身どちらか一人を選ぶとすると話の収集がつけられなくなってしまうため、もう一人はもう一つのストーリーで幸せになってもらうことにしました笑 今テスト期間のため、再来週くらいになったら更新再開します! (2019年7月10日 20時) (レス) id: 016d1e72e6 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - どちらもありのエンディング贅沢すぎて嬉しいです。お手を煩わせてしまって読み手として申し訳ないですが、たのしみにしています。 (2019年7月10日 20時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 亞里亞さん» ありがとうございます!それぞれのエンディングは今悩み中です! ただ幸せになって終わるだけじゃないかもしれないですが、楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2019年7月7日 19時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
亞里亞 - お疲れ様です!!赤井さんも降谷さんも大人なので最終的には幸せを願って身を引けるんだろうななんて今から泣ける準備してますね!! (2019年7月7日 15時) (レス) id: 6308b08dc9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 優愛さん» ありがとうございます!! 最近更新遅くて申し訳ないですが、ゆっくり頑張ります! (2019年6月13日 21時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月24日 0時

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