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第十一話 ページ13

その日の夜。どっと疲れて、ベッドに入った私はすぐに眠りについてしまった。
安室さん、今日もおうちまで送ってくれた。
沖矢さんは、同じ大学院らしいから、もしかしたらこれから会うことがあるかもしれない。

秀一さん以外の男性と仲良くしたこと、あんまりないから、何だか・・・。
申し訳ないな、あの人に・・・。



「A」


「聞こえているか、A」
遠くから。はるか遠くから、聞こえてくる声。
気がつくと、私は白い霧に包まれていた。

ここ、どこ?

「こっちだ、A」
声の方を必死に探す。この声は、間違いない、あの人の・・・!
「秀一さん!! どこ!」
私は必死にかけた。

白いもやの中を、必死に。
どれだけ進んでも、ここがどこかもわからない。

でも、あの人がいる・・・!


「ここだよA。全く鈍臭いやつだな」
振り返ると、そこにはあの人がいた。
呆れたような、そんな顔をした、いつものあの人が。
「秀一さん!」
私は嬉しくて、その胸に飛び込んだ。

「ねえ秀一さん、今日は友達がたくさんできたの。とっても素敵だった。お料理の腕も、褒められたんだよ」
秀一さんは、微かに口角をあげる。
「明日から、とっても楽しみ。沖矢さんと一緒に授業受けるかもしれないしポアロで安室さんとおしゃべりするかも。それに子供達と一緒に遊びに行こうって約束したの!
私、日本に帰ってからなかなか友達できなかったからとっても嬉しい」
ぎゅうっと、秀一さんを抱きしめる。


「お前は、俺がいなくても大丈夫か」
「え?」
「俺がいなくても、これからの毎日を過ごせるか?」
何を言ってるの?

白いもやが、だんだん灰色になってきた。
嫌な感じ。思い出したくない。
秀一さん・・・?


「何言ってるの、あなたがいないとダメだよ。あなたがいてこその毎日・・・でしょ」
私が言うと、あの人は私の頬にそっとキスをした。
あの人はあんまり口にキスをしてくれない。いつも、はぐらかすように。
「お前が楽しみにしている毎日は、こんな幸せと引き換えになるものだったら?」


「お前は、どっちを選ぶ?」

秀一さんは、私の腕を払う。一人で佇む私。
いや・・・だ。

秀一さんのいない日々なんて、ダメ。ダメだよ。

「あなたを選ぶに決まってる」
私はまたあの人に一歩近づいた。
そうすると、悲しげな笑みを浮かべた秀一さんは、私のことを抱きしめた。

「いい子だ。じゃあご褒美をやろう・・・」

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(プロフ) - iwaさん» コメントありがとうございます!いえ、私自身どちらか一人を選ぶとすると話の収集がつけられなくなってしまうため、もう一人はもう一つのストーリーで幸せになってもらうことにしました笑 今テスト期間のため、再来週くらいになったら更新再開します! (2019年7月10日 20時) (レス) id: 016d1e72e6 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - どちらもありのエンディング贅沢すぎて嬉しいです。お手を煩わせてしまって読み手として申し訳ないですが、たのしみにしています。 (2019年7月10日 20時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 亞里亞さん» ありがとうございます!それぞれのエンディングは今悩み中です! ただ幸せになって終わるだけじゃないかもしれないですが、楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2019年7月7日 19時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)
亞里亞 - お疲れ様です!!赤井さんも降谷さんも大人なので最終的には幸せを願って身を引けるんだろうななんて今から泣ける準備してますね!! (2019年7月7日 15時) (レス) id: 6308b08dc9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 優愛さん» ありがとうございます!! 最近更新遅くて申し訳ないですが、ゆっくり頑張ります! (2019年6月13日 21時) (レス) id: 8f4e5bf045 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月24日 0時

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