ep.147 車内の攻防 ページ12
千尋side
降「お前は三歩進んだらニ歩下がるのか…？」
『え？』
車に乗り込むと、降谷さんが口を開く。
上司はため息を一つついてからそう言った。
一瞬で雰囲気が変わり、その素早さに思わず固まっていると、降谷さんの瞳が鋭く光る。
降「僕との訓練である程度慣れてきた頃かと思ったのに、少しやらなくなればもうコレだ」
やれやれ…と横目に私を見ながら、降谷さんはエンジンをかけ車を発進させた。
そこで私は初めて気づく。
…ハニトラだったんかーい！！！
それが分かった瞬間、一気に顔が熱くなる。
でもまぁ違和感はあったから、納得っちゃ納得なんだけど…。言われるまで気づかなかったので、何とも言えぬこの羞恥心。
が、しかし。意地が悪いったらありゃしない。
なんかもっと普通にさ「お前はまだまだだな」ぐらいでいいじゃん？！…それもちょっとムカつくけど…！
何もあんないやみったらしく言わなくても…！！
降「何か不満そうな顔だな？」
『当たり前じゃないですか！さっきも言いましたけど、こちとら5キロの重り身体に着けて動いてるんですよ？！ドラ○ンボールかっての！
それで心配されたら誰でも真に受けますって！！』
降谷さんがこちらを見もしないでそう言うもんだから、私は車内を流れるラジオのボリュームをあげながら、声を荒げた。だって悔しいし。
降「…まぁそうカリカリするな」
『一体誰のせいだと…』
降「僕だろうな」
でも。
前の信号が赤になり、止まった車内でラジオのボリュームを下げながら話す降谷さん。
そのなだめる様な話し方に、私の気持ちはボリュームと共に落ち着いてしまった。情けないくらいにあっさりと。
降「心配しているのは本当だ」
『どーだか…』ﾍｯ
止まったままの車中で降谷さんが静かに言う。
…もう引っかかりませんよーっだ！
降「まぁ少しやりすぎたとは思ってる」
『……』
降「でもお前も悪いぞ？すぐ騙されて…」
『っ余計なお世話です！』
降「そういう訳にも行かないだろ。君は僕の部下だ。お前の行動一つ一つに僕の責任がある」
『っ！』
信号が青になり、車が動き出す。
今日はもう
やっぱり今日はいつもと違う。
『わ、わかってます…！
それより次は何処に行くんですか？』
降「あぁ、次はドックランに…」
いつもと違うから調子が狂う。
私は、わざとらしく話題を変えて話を反らすことしか出来なかった。
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りんねむ(プロフ) - sherryさん» sherryさん、コメントありがとうございます！時間がある時に、がんばって更新したいと思いますm(*_ _)m (2022年5月18日 17時) (
レス) id: a65ebb8e54 (このIDを非表示/違反報告)
sherry(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年5月13日 9時) (レス) id: 5b04212fee (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 朱音さん» 朱音さん！コメントありがとうございます(泣)頑張ります*_ _) (2022年3月28日 1時) (レス) id: a65ebb8e54 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - ゆっくりでいいので更新頑張ってください！ (2022年3月26日 15時) (レス) id: 99e1269188 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - あっちゃんさん» コメントありがとうございます！！時間ができたら更新するように頑張ります！！m(*_ _)m (2021年9月12日 2時) (レス) id: a65ebb8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんねむ | 作成日時：2020年4月14日 21時
