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第146話 勝者と敗者 ページ1

池「澤村!!」

全「!?」


第一試合が終わって、移動していた時だった。
後ろから、息を切らしながら大地さんに声をかけたのは、さっき戦った常波高校の4番、池尻さんだった。


澤「池尻?」

池「…勝てよ!!たくさん勝てよ!!」


彼は必死に言葉を紡いでいた。
本当はそんなこと言いたくもないだろうに。
瞳を潤ませて、声を震わせながら。


池「勝てよ…!俺たちの分も!!!」

『…』


大地さんは、少し驚いた顔をした後で、池尻さんの腕を力強く掴んだ。


澤「あぁ、受け取った」


掴んだ腕にぐっと力を込めて、その短い一言に気持ちを込めて。
それを聞いた池尻さんは、より一層泣きそうな顔をして、その後ではじけるような笑顔を見せた。







こうやって、自分でもあっけないほど“部活”が終わっていく人は、全国に何万といる。

何試合もある予選を全部勝ち抜いて、全国に行って。

そんな人はほんの一握り。

勝負である限り、勝者と敗者が存在する。

それは当たり前のことであり、仕方の無いことだ。



これが物語(フィクション)だとしたら、全国へ行く勝者が主役で、

敗者たちは脇役(エキストラ)みたいなものかもしれない。



でも



彼らが居なかったらは物語が成り立たない、居なくてはならない存在。




彼らもやっていたのだ。

青春をかけて。

バレーボールをやっていたのだ。




たかが部活。




されど部活だと、私は思う。








池尻さんは満足したようで、くるっと向きをかえて行ってしまった。
私はその後ろ姿をよく目に焼き付けた。


忘れてはいけないと思った。


あの後ろ姿を。








池尻さんと分かれた私たちは、組み合わせ表が張ってあるところにやってきた。


澤「この中の約半分…、55チーム中の23チームは一回戦で終わる」

全「…」


その表を見ながら大地さんが静かに言う。


澤「次も勝つ」

全「あス!!」


私たちの目に映るのは、2回戦の組み合わせ。
今回は絶対に負けない…





ー第2回戦


烏野高校

VS

伊達工業高校





少しでも長くコートに立っているために。

少しでも長く主役でいるために。

ここが最初の正念場だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

みなさんこんにちは!
りんねむです!

いわゆる"モテ期"到来season4、やっと公開です。

サボりにサボり(正確には別作品しか更新していなかった)ましたが、こちらも少しずつ更新再開していきたいと思います!

よろしくお願いします( *´꒳`*)

第147話 休憩時間→



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設定タグ:ハイキュー , 愛され/逆ハー , 原作沿い/烏野/伊達工   
作品ジャンル:アニメ
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れな(プロフ) - とても好きです。良ければ更新してもらえると嬉しいです!わがままをいえば西谷と田中との絡み沢山見たいです!完結までついていかせてください! (5月22日 13時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
純恋 - 初めて読ませていただいたのですが、めっちゃ面白かったです♪早く続きが見たいです( *`ω´) (2023年5月8日 5時) (レス) @page2 id: 07ef4aabd6 (このIDを非表示/違反報告)
URAN٩( ᐛ )و - 初めまして〜この小説よくせてもらってます!とにかくストーリーが好きです!!主様これからも頑張ってください。続き待ってます!! (2022年10月3日 20時) (レス) @page2 id: 38df0baeed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんねむ | 作成日時:2022年9月5日 0時

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