【ハイキュー】いわゆる"モテ期"到来season3

第104話　ハイスペックボーイ ページ9

ボッ

チッ

ダンッ


犬「んぬぅ〜っくっそ！！！」

影「………」

日「………」




タイムアウト開け、少しずつ犬岡が日向に追い付いてきた。
今音駒が、対変人速攻攻略法としてやっているのはデディケートシフトと呼ばれるもの。ブロッカー3人を右又は左に片寄らせるブロックの配置だ。

日向はブロックの居ない所に飛ぶから、日向の移動可能範囲を狭くし、日向の動きの誘導をしようっていう寸法。



猫「まぁそれでも、あの10番に付いて行ける奴は限られてると思うけどな」

芝「犬岡君、大きいけどすばしっこいですもんね！」

猫「頭使ったプレーは全然ダメだけどな…
が、ひとつの事を徹底してやらせれば大いに力を発揮する」



ベンチに座る猫又先生と芝山の会話が耳に入る。
そんな時だった。



キュキュッ

ブワッ

犬「！」



日向が犬岡を躱して斜め右に飛ぶ。



ドッ

チッ

ボッ



でも犬岡の指先は日向のスパイクに触れていて、今度は後ろにいた夜久さんがきっちりAパスで返す。

さぁ研磨速攻のチャンスだ。どこに、誰にあげる…？




フワッ

トンッ



『！！』

日「えっ」



トッ



西「くっそ〜っ」



と思ったらまさかのツー。目の前に居た日向は身動きひとつ出来なかった。やっぱりよく見てるんだなと、そう思った。



影「ライト！！」

日「エッ…影山がトス呼んだ！？」



影山の声で我に返り、コートに目を戻すと、海さんのフェイントでレシーブが乱され、西谷が2段トスを上げるところだった。



西「影山！！ラスト！！」


キュキュッ

…ズドッ


東・田・日「！！！」

『おぉ流石…』



クロスを閉める黒尾さんと福永。
影山はアンテナと福永の手の間をまっすぐ撃ち抜いた。見事なストレートだ。



影「オイ今のが"ストレート"だからな！サイドライン沿いまっすぐ！ちゃんとコースの"打ち分け"できるようになれよ！」

日「うぐぬ〜」

田「影山(コイツ)のハイスペックマジ腹立つわ〜」

菅「全くです」

『あははw』



中学時代、伊達に及川さんのストーカーしてた訳じゃないね。ちゃんと自分の"モノ"にしているあたり、流石影山だ。あの頃から、誰よりもバレーが好きで、誰よりもバレーを頑張っていた。

自分が尊敬する先輩の技術を目で盗み、ここまで"1人"で強くなった。

あとは"皆"で強くなるだけ…





芝「すっごいですねーっ烏野高校のセッターー！」

猫「あ、あぁ…」



そんなハイスペックな影山に、音駒高校も感心していた。

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