ep.98 不用心ですよ？ ページ7
ピンポーン
私がインターホンを鳴らしているのは我が家の隣の大きなお家。工藤邸だ。そう、私が会いに来たのはこの豪邸に住む沖矢昴さんだ。
が、しかし…
『…あれ？出て来ない』
ピンポーン
『…うそぉ』
いくら待っても昴さんは出てこなかった。まさかフラグを回収してしまうとは…
そして明かりはついているのに…！と門にしがみついた時だった。
ガチャ…ギィ…
『え、鍵開いてる…？』
私がしがみついた衝撃で門の扉が開く。…なんと不用心な。もし寝ていたとして、このように鍵が開いているのはこの町では非常に危険だ。まさか玄関の鍵は…
カチャ…
『開いてたよ…本当に寝てるのかな？』
流石に無いかと思いながら玄関の扉に手をかけると、いとも簡単に開いた。…だからヤバイって。
鍵をかける前に寝てしまったのだろうか。だとしたら明かりがついていたのにも辻褄が合うが…
そんな事を考えながら、とりあえずお邪魔することにした。
『昴さん居ますかー？』
シーン…
リビングに入ってみるも誰も居ない。テーブルにはグラスとお酒、そしてパソコンとタブレットが置いてあった。
続いて書斎。ここにも昴さんの姿は無かった。
『(あとは部屋？でもプライベートゾーンだからな…)』
昴さんの寝室に向かっている時だった。
シャァァァ…
洗面所の方から水の音がする。
そこで私は気づいた。…昴さんは入浴中だ。
『なんでぃ…』
それがわかった途端急に力がぬける。私は肩や首をぐるぐる回しながらリビングへと戻った。
途中書斎で数冊本を借りた。昴さんを待っている間、時間潰しに優作叔父さんのミステリーを読もうと思った次第である。ちなみに書斎から持ってきたのは、この間マカデミー賞を取った「緋色の捜査官」だ。
『かっこいいなぁこの人』
読み始めてから少しして。主人公の男性にそんな声が漏れる。モデルになったFBI捜査官とやらにも会ってみたいものだ。
『(FBI捜査官といえば赤井さん…
前、世良ちゃんと話して赤井さんが私の初恋の人だって思い出したんだよね。次会った時気まずいな…今度ジョディさんに相談してみようかな…)』
本を読みながらそんな事を考えていた時だった。ガチャリと音をたててリビングの扉が開く。見えたのは男性のシルエット。私は彼を見ずに口を開いた。
『すみません昴さん勝手に上がってしまって。実は相談したいことがあってですね…って、
……え？』
そこに居たのは昴さんではなく私の初恋の人だった。
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りんねむ(プロフ) - コメント、応援ありがとうございます！これからももっともっと楽しんで頂けるよう頑張ります！！ (2020年4月11日 2時) (
レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
#Marisa - めちゃくちゃ面白いです!これからも応援してます!更新頑張ってください! (2020年4月11日 1時) (レス) id: 12856f7fd8 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - イアデビルさん» コメントありがとうございます！！頑張ります！！(^_^)丿 (2020年4月4日 17時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2020年4月3日 13時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます！ファミリー揃うのマジか！！って感じです！私も公開日に絶対見に行きます！(^^)v (2019年12月6日 16時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんねむ | 作成日時：2019年11月25日 0時
