ep.137 お買い物 ページ48
沖矢(赤井)side
教授に提出するレポートが行き詰まり、気分転換に買い物でもしようと思って、自宅近くのスーパーに来ていた。
お酒コーナーの横を通り過ぎようと思った時だった。
『…バーボン』
その一言が聞こえて、思わず足を止める。
ちらりと通路を見れば、腹部を膨らました一人の女性が、酒類が並んだ棚に手を伸ばしていた。
横から垂れる髪の毛のせいでその表情ははっきりとはわからないが、口角が若干あがり、ニヤリとしていた。
沖「……」
何か怪しい。
あれほど腹が膨らんでいる妊婦は、普通酒を控えるものだ。それなのに白昼堂々と酒を買おうとしている。
もしや彼らの…
考えればかんがえるほど、そんな思考が頭をよぎる。良くない可能性は、先に潰しておくことに越したことはない。
僕はカートの向きををくるりと曲げて、静かに彼女に近付いた。
『…っ!』
近づいてみて、さらに怪しいと感じた。
自分の中で警報が鳴り始めている。
彼女が手を伸ばしたり、視線の先にあるのは、全て
ますます怪しい…。
こんな地元のスーパーで、大事にはしたくないが…
そう思いながら、僕はあくまでも平常を装って、彼女のその白い手に、自らの手を伸ばした。
パシッ
沖「妊婦さんは、お酒を控えたほうがいいですよ」
『え?』
俺が腕を掴むと女性は驚いたような声を出し、緩やかにウェーブする髪を揺らしてこちらを振り向いた。
一体どんな人物だと、探る気持ちで顔を見ると…
沖「っ…!千尋、さん?」
『あれ、昴さん!こんにちは!』
その女性は、工藤邸の隣に住む、自分の想い人だった。
あまりの衝撃に言葉が出てこない。
…そういえば千尋は
大方、次に会えるのはいつだろうか、等と考えながらニヤついていたと言うところか。…にしては、随分とダークな笑みだったが…
そんな事を考えながら、彼女の腹部に目をやった。
…何故膨らんでいるのだ。
以前会ったときは膨らんで居なかったはずだが…
もしや行為をする相手でも居るのか…
彼女の年齢は25。居てもおかしくないが、何しろ自分の想い人だ。どうしても気になる。
だがわからないことは考えても仕方がない。
沖「…妊婦、なさってるんですか…?」
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りんねむ(プロフ) - コメント、応援ありがとうございます!これからももっともっと楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2020年4月11日 2時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
#Marisa - めちゃくちゃ面白いです!これからも応援してます!更新頑張ってください! (2020年4月11日 1時) (レス) id: 12856f7fd8 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - イアデビルさん» コメントありがとうございます!!頑張ります!!(^_^)丿 (2020年4月4日 17時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2020年4月3日 13時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます!ファミリー揃うのマジか!!って感じです!私も公開日に絶対見に行きます!(^^)v (2019年12月6日 16時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんねむ | 作成日時:2019年11月25日 0時