ep.118 久しぶりの ページ27
降「…何故その名字なんだ?」
なんて答えよう…
赤井さんと会ったことは絶対言っちゃダメだから…
でも下手に嘘ついてもバレてシメられるだけだし…
私は頭をフル回転させる。
『あ、えっと…
中学校のクラスメイトに諸星ひかりちゃんって子がいて、その名字可愛いなって思ったんですよ…!ほら、星って可愛いじゃないですか!?』
適当に名前を考えて誤魔化す。
星だからひかり。バレるかも、と思いながら笑顔を作る。
降「…そうか。」
『ホッ…』
まだ納得いかないというオーラが残っていたが、降谷さんは頷いてくれた。
…とりあえずなんとかなった、かな?
私はバクバクと脈打つ胸をなでおろし、またコーヒーを一口飲んだ。
その後も降谷さんと履歴書についての話し合いは続き、気づけばもう日が暮れ始めていた。
降「よし…こんなもんか?」
『そうですね。でも年齢若すぎません?』
降「お前は童顔だから大丈夫だろ」
『えぇ…まるで他人事…』
降「当たり前だ。俺とお前は他人だろう?」
『降谷さん酷いっ!』
降「ハハッ…冗談だよ」
出来上がった履歴書を置いて、二人で他愛もない話をしながらコーヒーを飲む。
久しぶりに過ごす降谷さんとの時間に、心が暖かくなる。
降「何笑ってんだ?」
『え、私笑ってました?』
突然、降谷さんが眉間にシワを寄せて聞いてくる。ちなみに自覚は全くない。
降「だらしなく頬が緩んでるぞ。気持ち悪い。」
『言い方っ!棘あり過ぎですって!』
降「そうか?」
『そうですよ!』
私のツッコミに対し何も気にしていないようにとぼける降谷さん。全くこの人は…。
今日はいつにも増してSっ気がある。まるで漫才をしている気分だ。
『もう、せっかく降谷さんと久しぶりに話せて楽しいな〜って思ってたのに…。今ので台無しです!』
本当に台無し。
まぁさっきのやり取りも、あれはあれで楽しかったけど…ってそうじゃない!
ここで妥協したらまた同じことが繰り返される!
私は少し怒ったふりをして降谷さんを見上げた。
降「っ…お前なぁ…」
『え?…ちょっ、わっ!』
すると降谷さんは大きなため息を一つついて、私の頭をクシャッと撫でた。…コーヒー溢れちゃうよっ…!
揺れる髪の毛と降谷さんの手の隙間から見えた上司の顔は、心なしか赤くなっている気がした。
それにつられて自分も顔が熱くなったのは、気づかれたくない事実である。
『い、いつまでやってるんですか…?!』
降「…もう少し」
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りんねむ(プロフ) - コメント、応援ありがとうございます!これからももっともっと楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2020年4月11日 2時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
#Marisa - めちゃくちゃ面白いです!これからも応援してます!更新頑張ってください! (2020年4月11日 1時) (レス) id: 12856f7fd8 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - イアデビルさん» コメントありがとうございます!!頑張ります!!(^_^)丿 (2020年4月4日 17時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2020年4月3日 13時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます!ファミリー揃うのマジか!!って感じです!私も公開日に絶対見に行きます!(^^)v (2019年12月6日 16時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんねむ | 作成日時:2019年11月25日 0時