第43話 焦りと安堵 ページ48
ルッチside
…俺の、俺達の不注意だ。
今回の任務の情報を持つ部下達と合流するため俺達はとあるバーへ入った。
千尋には適当に酒を飲んで待っててもらうように言った。
普段ぬけている部分もあるが、俺達に迷惑を掛けまいという気持ちが強いので、俺達の言う事は必ず守ると、そう安心しきっていた。
始めのうちは、俺もしっかりと確認していたのだ。千尋が近くのカウンターに居ることを。
しかし、段々と話に熱が入っていき、任務の事に没頭し過ぎてしまった。
異変に気づいたのは店内が騒がしくなってから。原因は店内にいる海賊達だった。
始めは気にしなかった。
しかし、次第に妙な胸騒ぎがして、カウンターの方に目をやるとあいつがいなかった。
ル「……千尋？…」
カ「おいルッチ？千尋がどうかしたの…かっ？！？！」
ジャ「あいついねぇじゃねぇか！！」
カ「なんですって？！」
あまりの衝撃に若干パニックになる俺達。
でも、あいつの居場所はすぐにわかった。
海賊達の方から聞こえてくるとろける様な甘い歌声が聞こえたからだ。
色っぽくて、まるで誘っているかのようなそんな歌声が。
その声のする方に目を向けてみれば、瞳を潤ませ、頬を染めて、船長らしき男を愛おしそうに見て歌う千尋の姿があった。
すぐにでも連れ去りたいと思うが、あまりに美しい歌声でその場から見動きがとれない。
店内にいる誰もが千尋に見惚れていた。
少しして歌が終わり、千尋はその海賊達の方をみて満足そうに笑った。
我慢出来なかった。
あいつが、俺達いや、俺以外の誰かに笑顔を向けていることが…。
それは俺だけでは無かったかしく、千尋が歌い終わるのと同時に4人してガタッと音をたてて立ち上がり、気づけば千尋の腕を掴んでいた。
そのままバーを後にして千尋に怒鳴りつける。
悪いのは俺なのに。
すると千尋は、はっとした様な顔をして…
『ぁ、あのルッチさ……ご、ごめんなさい…。』
と弱々しく謝った。
カリファがそのまま千尋を強く抱きしめてこう言った。
カ「私達の責任よ。貴方は何も悪くない。何かされなかった？ほったらかしにしてごめんなさいね…。」
ジャ「守ってやるって言ったのに悪かったな…。」
カ「一人にしてすまんかったのぅ…。」
ル「…千尋、本当にすまなかった。」
カリファに続いて謝る俺達に千尋は首をふる。
最後に
「「「貴方が/お前が無事で良かった…。」」」
と言えば、その瞳からは大粒の涙が溢れるのだった。
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りんねむ(プロフ) - ぴのさん» すみません。ルールをよく把握していませんでした。今後はルール違反をしない様、今まで以上に注意を払って執筆をしていきたいと思います。この度はご指摘のコメントをして頂き、本当にありがとうございました。 (2019年5月26日 13時) (
レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 歌詞の引用は禁止されていますよ (2019年5月24日 17時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - こんるりさん» コメントありがとうございます！そしてこの作品を読んで下さりありがとうございます。私も獣の奏者好きなんです！！これからも楽しんで頂けるように頑張ります(*^^*) (2019年3月10日 23時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - まだ読み途中ですが、コメント失礼します。雫私大好きなんですよ！ハープ弾きながらとか、獣の奏者のエリンを思い出しました！これからも頑張ってください！応援しています！！ (2019年3月10日 13時) (レス) id: 7bb9678102 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - リーラさん» 私も好きだったんです！ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年1月3日 23時) (レス) id: 4808652658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんねむ | 作成日時：2018年7月30日 16時
