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学園に登校中にため息を吐き、憂鬱な顔をする。
朝はさんざんな目にあったと頭を悩ませる。
そんな中、興味深い会話が聞こえた。

「なあ、覚えてるか?昨日のこと」


それに続く言葉はもちろん魔法が使えない人間が入学した、ということだ。それも異世界人。話題にならないはずがない。

しまった、保健室に行ったせいでその場面を見逃した。その会話を詳しく聞くためにわざと歩く足を遅くする。そのおかげでよく声が聞こえる。


「異世界から来た人間で、魔法使えないとか…。カワイソー。」

「そう言ってる割には笑ってんじゃん?」

「お前もな。」


ギャハハと笑い声が後ろから聞こえる。
その中で一つ気になったことがある。それは、私は「魔法が使える」ということだ。


異世界から来たのなら魔法が使えないのは当然だが、私は異世界から来たのにも関わらず魔法が使える。これは何の差なんだろうか?

そう考える内にあっという間に自分の教室に着く。私のクラスは1-B。エペル、ジャックと同じだ。

まぁ、そこまで関わる事もないだろうと一番端の窓側の席に座る。関わったとしても深くは続かないだろう。何度も言うが、なぜなら私は人見知りではっきり物が言えない。

興味は湧かないだろう。その性格を直せとジャックやデュースあたりには鍛えられそうだが。
そこまで深い友情にはならないとは思う。…多分。

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作者名:りん | 作成日時:2021年7月25日 16時

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