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ジャック君とはそれなりに話し、仲良くなれたような気がする。
午後の授業も終わり、一気にさわがしくなる。
内容としては部活のことがほとんどだ。かけもちしようかな、なんて声も聞こえる。
「ねぇ、二人はどの部活に入るの？」
エペル君とても待ちきれないという顔で、私とジャック君の顔を目で行き来する。
「俺は特に決めてねぇな。とりあえずマジフトを見る予定だ。」
なぜか自信満々に答える彼にエペル君が目を大きく開き、輝かせる。
「お、俺もっ！じゃねぇ…えっと、僕もだよ！」
二人がマジフトの話題で盛り上がる。それを可愛らしいなと少し笑いながら見ていると私に詰め寄る二人。
「お前もマジフト見に行くか！？」
すっかり興奮した様子で息が荒い。とても嬉しそうだ。いつもの私ならここで頷くだろうが、ここでフロイド先輩の迎えを待たなければならない。
「ご、ごめんね…？今日…用事が…あって…。明日でも…いい…？」
それにエペル君とジャック君はもちろん、と満面の笑みで答え、明日待ってると仲良く二人で教室を出ていった。
他の生徒も次々と教室から出ていき私が一人残される。先輩が来るまで復習でもしておこうと思い、教科書を読み始める。
「ねぇ、それって楽しい？」
気づけば私の隣に座っており、退屈そうに教科書を見つめる彼がいた。
私があっけにとられているとフロイド先輩が教科書を取り上げてくる。
「えっ…。あ、あの…。」
返してほしいが言い出せない。そんなとき彼が説明を始める。
「これはねぇ、ここの公式を当てはめんの。でぇ、そこからまた別の公式用意して、計算すんだよぉ。分かった？」
正直びっくりした。天才型だとは知っていたが、こんなに分かりやすく説明してくれるなんて。
「あっ…ありがとうございます…！」
興奮してつい、いつもより大きな声を出してしまう。といっても小さいことに変わりは無いが。
それを面白く思ったのか、先輩はテンションが上がる。
「あはっ♡どーいたしまして。」
機嫌が良くなり、お昼のときとは違い私に合わせて、エスコートしてくれる。表情も柔らかく別人だと錯覚してしまうほどに優しかった。
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月25日 16時
