目が覚めたら棺の中でした (ページ11)

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授業が終わり隣を見ると、エペル君は首をカクカクさせている。よほど眠かったらしい。

軽く体をゆらしてやり、起こす。

「エペル君、もう授業終わったよ…？」

オコスにしては小さすぎる声だが、体をゆらしているので、十分だろう。

「…？…やっべ！俺、授業さ聞いてねぇだよ！」

最初、虚ろな目は私を見て次に先生が立っていた教壇を交互に2、3回見る。
その後にハッとしたような顔で見た目に合わない言葉が続く。

余程焦っているのだろう。つい、方言が出てしまっている。というか、ちょくちょく出ている。ヴィルさんに怒られないんだろうか、なんて考える。

「大丈夫だよ。私、ノートとってるから…。貸すよ…？よければ解説するし…。」

可哀想になってついノートを貸すなんて言ってしまった。そこまで深い仲ではないのに。
変な汗が伝う。そんな私の心の中を知らないエペル君はまるで救世主が来たような顔で私を見る。

「いいの？ありがとう！」

とてもかわいらしい笑顔でお礼を言う。エペル君が笑うとそこらじゅうに花が見える。
本当に男だろうか？なんて錯覚してしまうほどに。

「う、うん…。次は飛行術だ…から、早めに行かないと。」

エペル君の笑顔に圧倒され、喋るのがやっとだ。話題を変えるため、無理やりに話を繋げる。

「そうだね。よければ一緒に行かない？」

エペル君に頼まれて断る人はいないだろう。

「うん。一緒に…「あ～っ！稚魚ちゃんだぁ～！」

そこに居るはずのない、居て欲しくない人物がなぜか教室の扉の前に立っていた。