なんか、憑かれた。

5.明かされたのは ページ22

「ただいま！」

勢いよく階段を上る。

今母親はいるだろうか。

「おかえり！A」

いた。

けど

今のイントネーション、誰かに似てた気がする。

まあ、いいや。

「お母さん、夏美って誰か知ってる？」

「ぐふぉっ」

え⁉

お母さん吹いたの⁉

私の質問で飲んでいたお茶を吹いてしまった母親は、明らかに様子がおかしくなっていた。

大分咳き込んでから母親は

「なんでその名前を知ってるの？」

と聞いてきた。

……なんて答えようか。

幽霊がーなんて言えない。

ん？でも、もし血縁関係があるんなら……

「こないだお母さん、私のことそうやって呼び間違えたでしょ？だから誰かなーって。」

いぇす、嘘っぱち☆

こう言えば、おそらくまた慌てるはずだ。

「そっか……私そんなミスしてたんだね……」

母親がそう呟く。

母親は、見事に私の巧妙な罠にはまってしまったようだ。

お母さん、詐欺には気をつけた方がいいよ？

「うん、だからその夏美って誰？」

「今からお母さんの話すことを、しっかり受け止められる？」


え……

そんなに深刻な話なの？

でも聞きたい。

「うん、きっと大丈夫。」

「そっか。……あのね？夏美とあなたは、姉妹なのよ。」




…え？

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