くまさんの小説風占い！ (ページ4)

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「マドカは近々また燕に戻るのですか」

「蔡沢様にもよるがな。あと三日もしたら戻るだろう」

遠くを見つめて黙りこくっている蒙毅の顔を私は覗き込む。

「…近い」

私に気がついた蒙毅の顔は真っ赤になり、後ろへと仰反ろうとしていた。

「危ない、蒙毅」

私は落馬しそうになる蒙毅の手を慌てて掴んだ。

そもそも反応が初々しすぎる。
この様子だと、まだ私以外の女の人とろくに会話することさえ出来ていないのかもしれない。
軍師学校に所属している女子生徒の数は決して多いとはいえないのもあるだろう。仕方のないことだ。

「大丈夫か」

「全てマドカが原因ですから」

軽く睨んでくる蒙毅に私はすまない、と謝った。

「さっきの話の続きですが、また兄と僕とマドカの三人で昔のように出掛けたかったんです」

蒙毅は賑わっている繁華街をみて、そう言った。

「そうだな」

無理を承知で言いましたから、大丈夫ですよ、と寂しそうに笑う蒙毅に、私の胸は締め付けられた。

蔡沢様と共に燕に戻るまで、先生から手伝いを頼まれており、暇はないだろう。

あの頃が一番楽しかったのかもしれない。
先生の学校から抜け出し、三人でよくこの繁華街に遊びにきては怒られていた。

「次に帰国した時は必ず行くと約束する」

「絶対ですから」

先程とは違い、目をキラキラと輝かせる蒙毅に私は微笑んだ。