111 ページ11
クローバー先輩、ダイヤモンド先輩も続けて鏡の中へ消えていく。
その後ろ姿を最後まで見送った。
「A〜、オクタヴィネルで待ってるねぇ」
「いつでもお待ちしていますよ」
お次は彼ら兄弟が扉の方へ。
学園に残るなら寮においでと言われた私達三人ですが、今の所、訪問の予定は有りません。
「先輩が手を振り返すまでずっとあそこに居るつもりだったんじゃ…」
ユウ君が小さく呟く。
その言葉に苦笑いを返した。
珍しく兄君も小さい子みたいで驚いちゃったのは確かだ。
怖い顔と声で可愛らしい事をするんだもん。
でも彼らが本当の子供みたいな行動をするとは思えないんだよなぁ。
何やら裏が有るんじゃないかって疑ってしまう。
日頃の行いというやつだろうか。
グリム君達は彼らを見るとあの過酷な労働を思い出すと言ったけれど、それは多分、ちょこっと自業自得な気もする。
「さて、僕達もそろそろ帰るとするか」
「そーね」
スペード君の言葉に辺りを見渡してみれば、確かに生徒が少なくなっていた。
みんな口ではあんな事言ってても帰るのが楽しみだったに違いない。
いいなぁとまた口から出そうになった。
「そうだ、さっき学園長からスマホ貰ったならマジカメのID交換しとこーよ」
「僕とも交換しよう」
「あ、私も持ってるよ」
二人に便乗して私とも交換してもらった。
数少ない名前の中に三人のが加わり、自然と口角が上がる。
「冬休み中、寂しくなったら連絡してきても良いぜ〜」
「用も無いのに連絡しないよ」
「出た。監督生のマジレス。冗談だっつーの」
どっちかと言うとトラッポラ君の方が寂しがり屋さんな気がするが、それは黙っておこう。
怒られちゃいそうだから。
「こいつの冗談はさて置き、何かあったら遠慮なく連絡してこいよ」
先輩も、と続けた彼にお礼を述べた。
相変わらず優しいなぁと思いながら。
二、三度振り向いてくれる彼らにも手を振る。
そして順番に鏡の中へ消えていった。
「いつも騒がしすぎてウゼーと思ってたけど、いざいなくなってみると…」
ぽつりと話し始めるグリム君に耳を傾ける。
急に静かになって寂しいのかな。
「アイツら本当に毎日ウルセーってことがよくわかるんだゾ」
「あれ、思ってたのと違った」
腰に手を当てながらぷんぷんしてる彼。
その姿が何だが面白くって笑ってしまった。
拝啓 トラッポラ君にスペード君。
早く戻って来ないと、もっと好き勝手言われちゃうぞ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - ふわなさん» ありがとうございま😭劇遅亀更新野郎ですが、頑張ります！！！！ (2021年11月16日 21時) (
レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - とっても面白い作品ですねヾ(≧▽≦*)o更新楽しみにしております！ (2021年11月16日 13時) (レス) @page34 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！！！！わかりにくかったかなーと思ってたので、嫉妬してるところ伝わって嬉しいです😂 (2021年11月13日 20時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)リドルくんの嫉妬とか可愛いです(●´▽`●) (2021年11月12日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 花束さん» ああああああ！お返事遅くなって申し訳ないです！ありがとうございます😭😭そう言ってもらえて凄く嬉しいです！更新、暫しお待ちを！！ (2021年10月15日 21時) (レス) id: 35357c875d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りん | 作成日時：2021年7月15日 18時
