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「で、寮長の詫びタルトは結局どうなったの？」
「ちゃんと作ってきてるよ」
彼が指差す方を見ると、少しだけ不格好な形の苺タルトがあった。
クローバー先輩が初めてにしては上出来だと褒め、それを透かさずトラッポラ君が突っ込む。
素早い反応に笑みが溢れた。
まあ、彼がリドル君を甘やかすのはもう性分みたいなところがあるから仕方ないのだけれどね。
「いただきまーす」
みんなでタルトを口に運ぶ。
そして。
「しょっぱい！」
物の見事に揃った。
苺は甘いのに凄くしょっぱい。
何故か訊いてみれば、セイウチ印のオイスターソースを入れたんだとか。
あの冗談は思い付きで言ったんじゃなくて、かなりの年季が入っていたのか。
そんな昔の話をちゃんと覚えてたリドル君が凄い。
「ちょっと考えれば嘘だって分かるでしょーが！」
「トラッポラ君も騙されてなかったっけ」
「それとこれとは別！」
えぇ、怒られた。何で。
よく分かんないよ。
「しかもこれ、隠し味って量のしょっぱさじゃないよね」
「だって適量とか言われても分からないだろう？正確に教えておいてくれないと…」
「リドル君らしいね」
「…あははっ！」
それまで黙りだったクローバー先輩がいきなり大きな声で笑い出す。
それに釣られて次々笑い声が上がった。
「でも、これはこれで美味い気がしてきたんだゾ！」
「案外悪くないよね」
グリム君の発言は大体想像付いてたけど、ダイヤモンド先輩まで舌が壊れてたなんて初めて知った。
驚きのあまり口に残ってたタルトを飲み込んでしまう。
「えほっ…」
あ、変な所に入った。
「このタルトは甘くないから悪くない、だろ？」
咽せる私を宥めるクローバー先輩。
背中を摩りお水を渡してくれる姿は宛ら兄そのものである。
…私、一人っ子だけど。
「甘いもの苦手だもんな」
そしてそのままダイヤモンド先輩に向かって衝撃的な発言を打ち嚙ます。
「えっ…トレイ君、何で知ってんの？」
誰が見ても分かり易く狼狽えてる。
上手に隠してるつもりだった秘密をこうも簡単に暴露されてしまっては、そうなるのも致し方無いよね。
「その��思ってたけど言わない��っての良くないと思うな〜オレ」
「次はキッシュも焼いてやるからな」
ちっとも悪怯れる様子を見せないクローバー先輩に、普段は優しいこの人も立派な此処の生徒だったと思い出させられた。
「トレイのお菓子はいつ食べても絶品だにゃあ〜」
「わっ、チェーニャ君！」
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
