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「…ん」
鳥の囀りで起こされた。
こんな窓辺で会話してるなんて珍しい。
「どうしたの」
昔から動物に好かれ易くて自然にお話出来るようになっていた。
人間よりも彼らが好きだったのは、私を見る大人の眼が怖かったから。
同世代のみんなが、私を仲間外れにするから。
…変な事思い出しちゃった。
よくある様な幼少期の記憶だし大切にするものでもないのに、何故かふとした時に思い出しちゃったりするんだよね。不思議。
思い出したからと言って何かある訳でもないけど。
「あ、そっか」
今日は後輩二人がリドル君に決闘を挑む日。
だから鳥達が騒いでいたのだ。
慌てている彼らに心配しなくて良いと告げれば、返事の様にひと鳴きしてから飛び立った。
よし、私も用意しなきゃ。
ぐうっと背中を伸ばして気合を入れる。
後輩が頑張るのに先輩が黙って見てるなんて恰好悪すぎる。
耳を澄ませて足音を確認。
うん、これはリドル君のじゃない。
扉を開けていざ出陣だ。
今更感は否めないけれど、ちゃんと朝ご飯を食べて体力をつけなきゃ。
そう息巻いて手帳を開けば其処には飛行術の文字が。
…見なかった事にしよう。
一人笑顔で小さく頷き、そっと手帳を閉じた。
こんな所を誰かに見られていたら通報されそう。
でも自己防衛って凄く大事だと思うの。
だって起きて直ぐにバルガス先生はつらい。
通常でも筋肉筋肉煩いのに、いきなり大きな声で魔法は筋肉からとか言い始めるから本当にやだ。
煩い。本当に煩い。
別にむきむきじゃなくたって高度な魔法を使う人は幾らでも居る。
要らないよ筋肉は。
「はぁ」
憂鬱だ。きっとまた居残り練習させられる。
力の加減が出来ないから低空飛行してるだけだもん。
オクタヴィネルの二人とは訳が違うもん。
何度も抗議しようかと思った。
その度に邪魔された。
仲間は一人でも多い方が楽しいからと言ってたが、単に私を巻き込んで玩具にしようとしてただけな気がする。
だって直ぐ揶揄ってくるし。
締め殺されないだけ良い方かと思ってしまった私の脳味噌をどうにかしてほしいくらいだ。
下がるばかりの気分を堪えて前へと進む。
運動着も教科書類も全て持った。
忘れ物は無い筈なのに、何故かそわそわする。
「…あっ」
そうだ、リドル君と同じクラスなんだった。
どんな態度を取れば良いか分からず悩んでいたら本鈴が鳴る。
バルガス先生には至近距離で注意され、居残り練習を命じられた。
煩い。耳が痛い。
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
