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「でも入学式でグリムが付けられてたじゃん」
「私、視力が弱くて遠い所は特にあんまり見えてないんだ」
「えっ…じゃあ今までその状態のまま生活してたんですか？」
怒ったように私を見つめるトラッポラ君。
質問に少しだけ戸惑いながら答えればユウ君が目を見開いた。
そんなに驚かなくても。
「大丈夫なんですか…？」
「生活に支障が出る程見えてないわけじゃないから平気だよ」
幾ら視界が不明瞭と言ってもちゃんと夜目は利くし動く物体にも反応出来る。
あと目が悪い代わりに鼻と耳が良いから、結果得をしている気分だ。
まあ利き過ぎるのも厄介なんだけどね。
意図せず会話盗み聞きしちゃったりするし。
…敢えて聞いたりする事が無いわけじゃないけど。
「えっと、なんか、おこ、ってる…？」
「別にぃ？何で甘やかしてんのかなって思っただけ」
「甘やかすとは…」
ずっと怖い顔を向けてくるトラッポラ君に怯えながら理由を尋ねてみるも曖昧な返事しかもらえなかった。
私が誰かを甘やかしてるって意味？
それは、話の流れ的にリドル君をって意味？
よく分からない。
もう少し詳しく教えてくれないと、どうして怒ってるのか理解しようにも出来ないよ。
「先輩さ、寮長の事、実はあんまり知らなかったでしょ」
直球過ぎる言葉に思わず狼狽る。
図星だ。
「ちょっとエース！」
「良いの、気にしないで。その通りだから」
嘘を吐いたとしてもきっと気付かれてしまう。
だって嘘吐きようが無いもん。
実際にユニーク魔法について知らなかったのだから。
それに、あれは確証を持った言い方だった。
誤魔化すだけ無駄なのだ。
だから私は全然知らなかったと正直に述べた。
「あんたがどんな事情でこの学園に来てるのかは知らねーけど、それに甘えてちゃだめっしょ」
「エース！」
頭を殴られたような感覚。
本当に、その通りだと思った。
「すみません」
「ううん良いの。本当の事だから」
スペード君とユウ君は何故か凄く慌ててるけど、こればっかりは事実だから咎める理由なんて無い。
二人を宥めてトラッポラ君と対峙する。
彼の言いたい事は痛い程分かる。
だけどね、私だって自分が此処に連れてこられた理由が明確になっていたらこんなに悩んでないんだよ。
なんて言える筈もなく、ただ笑って受け流した。
「ほら、二人は明日決闘なんでしょ。早く寝なきゃ」
「…先輩はどーすんの」
「私は寮に戻るよ」
外泊許可取ってないし。
…気まずいから帰りたいし。
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
