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こんこんと鳴る音に起こされる。
「…はぁい」
「Aちゃん、オレだよ〜」
その声を聞いて寝惚け眼を擦りながら扉を開けた。
「わわっ まだ寝てたの？」
「なんだか寝付けなくて…」
昨夜、寮に戻ると男の子が私達の帰りを待っていた。
性格に言えば先輩二人をだけど。
それに知らん顔をして私も会話に交ざる気満々だったが部屋に帰されてしまったのだ。
寝坊しないように早く寝るんだぞというお言葉付きで。
勿論、子供じゃないと反抗したい気持ちはあった。
でも大人しく指示に従いましたよ良い子ちゃんですからね。
部屋に戻ってお風呂に入り、ベッドに寝転んだのは良いが外から聞こえる声で度々起こされて気付いたら朝。
ダイヤモンド先輩の声で起こされたというわけだ。
「なるほどね…そんな中で悪いんだけど、薔薇を塗るの手伝ってくれる？」
人手が足りないと言われて断れる程、私は薄情じゃない。
短く返事をしてから少し待ってほしいと告げた。
「支度ができたらで良いよ」
助かる、庭で待ってるねと言ってそのまま走り去る先輩。
相当急ぎなんだなと回らない頭で思った。
「ふぁ…」
今日は何でもない日のパーティーだと言うのに、気分が上がらない。完全なる寝不足だ。
ゆっくり支度をしていたらもうこんな時間。
幾ら許しを貰ったからとは言えど遅過ぎるのもどうかと思う。
だから一応マジカルペンを胸ぽけっとに入れ、首元を確認してから急いで部屋を出た。
「遅くなってごめんなさい」
走ったから少し息が上がってる。
やはり運動不足は解消されてないようだ。
…だってバルガス先生苦手なんだもん。
「急に頼んで悪かった。助かるよ」
申し訳なさそうな顔で此方を見るクローバー先輩。
こればっかりは仕方無い事だから気にしなくて良いのに。
しかも私はずっと薔薇塗り免除だったわけだし。
流石にそろそろ参加しないとみんなが不満を抱いてしまう。
「ペンキ借りますね」
私は上手に魔法を制御できない。
変な所に誤射してしまうくらいなら、初めから自分の手で行った方が安全なのです。
赤色のペンキが入ったバケツを掴み刷毛で薔薇を塗る。
すると真っ白なお花が忽ち赤く染まっていった。
「みんなすごいね」
「昨日もやらされたから慣れたんだと思います」
スペード君とグリム君は魔法で、トラッポラ君は私達と同じペンキで。
「え、昨日も？」
「二人とも手が止まってる〜」
遠くでダイヤモンド先輩の嘆き声が聞こえた。
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
