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それはそのまま上がってしまい、焦る探偵達。
私は突然の事に頭がいっぱいで何も考えられなかった。
服部君が階段を探しに行こうと走り出した途端、上がってったものが降りてくる。
扉が開き、向こうには頭から大量の血を流し倒れているフウラサンという人物。
生々しい赤色に目眩がする。
「ねーちゃん大丈夫か？」
「え、あ、うん。平気です平気です！」
足の力が抜けてしまい、よろついた先に居た服部君が支えてくれた。申し訳ない…。
とっても重いですよねすぐ退きますからね。でもこの身体がなかなか言う事を聞いてくれなくてね。
踏ん張る事もできず、結局彼の腕を借りることになってしまった。
本当に申し訳ない。
「顔真っ青やで。どないしたんや」
「えっと…血を見るのが少し苦手で…」
うん、嘘じゃない。本当に苦手だもん。
少量の血液ならまだ大丈夫だったんだろうけど。
この子と居ると、次々と事件に遭遇するんだよね。
しかも、どれも人の心を抉ってくるようなものばかり。
精神的にきっつい。
「少し向こうで休む？」
「わっ」
急に服の裾を引っ張られて驚いた。
君は案外力強いんだから、ちゃんと加減しなさいよ。
驚いちゃうでしょう、私が。
「こっちだよ！」
「あ、うん、ありがとう」
そのまま階段に引っ張られ、無理やり座らされる。
私の扱い？が荒すぎじゃないかしら。
それにいつ見つけたの？
いくら私がお姉さんだからってもう少し労ってくれても良いんじゃないかなって思ってる。
中身はご老体なんですから。
「Aお姉さん大丈夫？気持ち悪くない？」
「平気だよー」
「なんや、工藤。心配しとったんなら急に引っ張ったらいかんやろ」
「ちょっ」
息を吸うくらい自然にさらりと言ったよね、今。
すごくない？逆にすごくない？
彼は慌ててるし当人は誤魔化すのに必死だし…というか、初めの時も思ったけどそれ無理あるんじゃないかな。
「ほらほら、私は大丈夫だから。君達みたいな探偵さんが居れば事件なんてすぐに解けるでしょう？」
「Aお姉ちゃんってたまに人任せにするよね」
だって自分で考えるのは疲れるし面倒臭いし疲れるんだもん。
嫌に決まってるではありませんか。
誰が好き好んで厄介事に首を突っ込むの。
そんなの君みたいな変人くらいだよ。
「Aお姉さんは疲れちゃったのだ」
「言い訳しない」
「ちぇっ」
「まあ取り敢えずここに居てね。すぐに解決してくるからさ」
「うん。じゃあ頼んだよ、名探偵さん」
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作者名：りん | 作成日時：2018年3月22日 22時
