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とにかく弁解はしよう。
このまま不審者、誘拐犯だと間違われて刑務所に連行されるのは困る。
バイトだって抜けられないし学校だってあるんだ。
「あ、あの！私は不審者でも誘拐犯でもありません！」
がたっと音を鳴らして立ち上がり叫ぶ。
違うのに、違うのに…。
叫ぼうとしたわけじゃないのに。
嗚呼…これだから脳みそと口が直結してるって言われるんだ、これじゃあ完全に不審者だよ。
ただ、幸いなのはここに居るのが私達の三人と先程のお姉さんだけだって事。
さよなら私の日常。
こんにちは牢獄生活。
ごめんねお母さん。私、不審者だったみたい。
「ははっ 面白い方ですねぇ」
「大丈夫だよ、安室さんは探偵だから分かっちゃうんだよ！」
「あ、あぁ…だから…」
事件の話が興味深いって言ったんだ。
何事かと思ったよ、物騒な話が好きだなんて。
顔に似合わず野蛮な人かと思ってしまった。
「だからとは？」
「あっいや…事件のお話がお好きなようで…」
「まぁ職業柄ですかね」
「ここでのお仕事に探偵業までやってらっしゃるとなると、大変お忙しい毎日なのでは？」
人の好き好きなんて私には関係ないのに余計な口出しをしてしまったかな。
苦笑いをさせてしまったかもしれない。
少し踏み込み過ぎたかな。
話題をすり替えてみたけどそれでも表情は戻らず、やってしまった感がする。
初対面の人相手にずけずけしすぎた。
「すみません。変な事を聞いてしまって」
「あ、いえいえ、気にしてませんので。確かに忙しいですが充実もしてますから。僕は満足してますよ」
「そうだ！安室さん、Aお姉さんは大学生なんだって！」
「そうなんですか？てっきり蘭さんと同じくらいかそれより下かと思ってました」
「ランサン…？」
「ボクと一緒に暮らしてる高校生のお姉さんのことだよ」
「コウコウセイ…」
また高校生。
たしかに最近まで高校生してましたけど…してましたけど…！
「私は大学生になったんです…」
そんなに子供っぽいですか。
幼さ残りますか。
私は、今の若者が有り得ないくらい大人びてるだけだと思うのです。
だって小学生でもお化粧をしているんでしょう？
私が始めたのは最近ですよ、文句ありますか。
というか、どうやって学んでいるんだろう。
「なった、ということは、十九歳ということですか？」
「え、はい、まあ…今年で」
「見えない…」と小さく呟いた小さな探偵さんの言葉で私はがくりとうな垂れた。
私、そんなに子供に見えますかね…？
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作者名：りん | 作成日時：2018年3月22日 22時
