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近くに売り場があって本当に良かったね。
逃げないし逃げられないからそろそろ手を離してほしいな。

不満がぽろりと出てしまいそうになったので慌てて口を閉じた。
災いの元は潰しましょう。

「ボクは断然お米よりパン派だけどなァ!!」

私の耳を元気な声が通過する。
振り向くとそこには世良ちゃんがいた。

何だかんだでこう呼ぶ事になったのだけれどそこは割愛しておこう。

群馬の桜を見に来たけどお腹すいて立ち寄った所に、私達が居たらしい。

怪しいけどね。

それでまあ驚きな事に、参加する気満々。
コナン君って好かれ体質なんだ。

「Aさん 久しぶりだな」
「ご無沙汰です」
「年上なんだから敬語じゃなくて良いのに」

探られてるような目つきで見られて、ほいほい信じられるほど不用心な子ではないので。
嫌いじゃないけど、嫌われてそうで悲しいよ。

元の場所に戻ると子供達の姿は見当たらなかった。
ただ薪でも取りに行ったのではないかという話になって探しに行ったけど、そこで警察の人を見てしまった私は察した。

あぁ…また巻き込まれた…、と。

実はあれらの他にも落下事件に巻き込まれたり、彼のお父さんの未解決事件に巻き込まれたりと、かつての自分には想像もつかないほど事件に遭遇している。

まあどれもこれも、この彼の所為なんだけどね。

この話は置いといて女の子の声で通報があったとすれば、それはきっとアイチャンだろう。
一番冷静そうだし状況判断がちゃんとできてそうだから。

心配なのは他の三人だ。
パニックになってないと良いけど…。
彼の友達だから初めての体験ではないだろうけど、慣れないだろうし慣れちゃだめだからね。



着々と事件は解決に向かってる事は分かってる。
でもどうしてなんだろう、全く安心できない。
早く子供達を見つけないと。


「もう手遅れだろうけど…」

犯人は写真家のウサギさん。
閉所恐怖症だと知っている筈の彼女が悪戯半分で無理やり小屋の中に閉じ込めたのだと言う。

正直そんな話はどうでも良いの。
あの子達の安否が知りたかったから。

なのにそんな物騒な事を言う無神経さに腹が立った。

全速力で走って駆けつけたけど小屋はもう手がつけられないほどに燃えていて。
焦った彼が大きな声でみんなの名前を叫ぶと、なんと林の中からひょっこり現れたではないか。

そこの屋根裏で暮らしてたお姉さんに助けてもらったんだって。
光彦君が動画を撮ってたらしく見せてもらった。

(あれ…この子……)

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作者名:りん | 作成日時:2018年3月22日 22時

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