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次の日、私はまたお呼ばれした。
今度は毛利探偵事務所に来て欲しいそうだ。

誰が行くか、と思ったのだけれど、行かない選択をした後どんな目に遭うかを想像しただけで頭が痛くなったので素直に行く事にしたの。
そんな私を褒めてくれる誰かが居たのなら良いのに。

着いたら何故か安室さんいるし毛利さんは依頼を受けてたみたいだし、何で私が呼ばれたのか疑問しか浮かばない。

しかもエプロン姿って事はバイト中じゃないの?
不思議に思ったので尋ねてみたところ、サンドイッチを届けに来たそうだ。
少し…いや随分と自由すぎやしないだろうか。

それより、彼、毛利さんのお弟子さんになったんだってさ。

いつの間に?

べつに弟子入りするほどじゃないと思うけどなぁ。
貴方頭切れるし洞察力半端ないじゃないですか。

ときどき怖い顔してるのも気に…って学習能力皆無なのかな。
あれほど好奇心で余計な詮索はしないって決めたじゃない。


「お久しぶりですね、Aさん」
「どうも」
「コナン君とは随分仲がよろしいようで…」
「べつにそういうわけではないんですけどねー」

何というか…そう、絡まれてる。
そんなに私が好きなんですかねぇ〜、あはは。

何故かまた私の手を握っている彼に視線を落とすと、怖い顔してこっち見てた。
君もそんな顔するんだね…何か気に触ることしたっけ。

考えても特に思い当たる節はなかったので気にしない事にした。


「また会えて嬉しいです!」
「蘭ちゃんは良い子だねぇ〜」

私なんかに天使の様な笑顔を向けてくれる。
そんなに優しくされると泣きたくなっちゃうな。

すると毛利さんに一通のメールが届いた。
そのおかげで私は潤んだ目を隠す事ができたのだけれど、本人は少しご立腹みたい。

理由は内容が依頼場所の変更だったから。

まあ急だと面倒にもなってしまう気持ちもよく分かる。断りたくなるのも分かる。
けれど蘭ちゃんはそんな毛利さんを一喝した。

女は強し、この言葉が一番当てはまるのってもしかしたら彼女なんじゃないかな…なんて思った事は内緒。


「僕も同席して構いませんか?」

安室さんもコロンボに行くつもりなんだ。
そりゃまあ気になるだろうね。
血が騒ぐんだろう。

私にはあんまり分からない。
一生分からないで良いや。

たしかに好奇心は止められないけど、私は自制をする事を学んだのだ。
偉い、偉すぎる。

それじゃあ私はこの辺でお暇しよう。


「Aお姉さんも行くよね?」


この子が居なかったら。

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作者名:りん | 作成日時:2018年3月22日 22時

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