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「お邪魔します…」
「こっちだよ」

うん、案内してくれるのは助かるんだけど、そろそろ手を離そうか。痛かったりするの。
逃げたりしないし暴力も振るわないから。

「おや、貴女ですね、最近コナン君と知り合った女性というのは」

…びっくりした!
ぬっと現れないでいただけませんかね。
例の如く身体が飛び跳ねた事に若干の羞恥心が…。

「あ、えっと冬村Aです」
「沖矢昴です」

この人がコナン君の言うこの豪邸に住んでる知り合いだと思ったら、少し違うみたい。
本当にここに住んでるのは工藤新一という名の高校生探偵で、両親はほとんど海外に居るらしい。

沖矢さんが前住んでたアパートが火事で燃えてしまったのでここに住まわせてもらってるそうだ。
なかなかに大変な事があったんですね。

「失礼ですが、本当に十九歳で?」
「はい。今年で」
「見えませんね」

もういいよこの下り!散々やったよ!もう触れるな!
顔がお陀仏になってると自覚はありますが、少しの抵抗はした方が良いと思うのです。

「私は何のためにここに連れてこられたの」
「お話をしたいなって思ってさ!」
「お話?この前たくさんしなかったっけ」

飽きる程したと思うんだけどな。
確かにコナン君の事件の話は少し興味深いと思うようになった。

でもそれは私の日常とは違うのだ。
私はもうそこに居てはいけない。

「今日はね、Aお姉さんに聞きたい事があってさ。良いかな?」
「ほうほう…答えられる範囲であれば…」

難しい問題とか出されたら頭が爆発するだろう。
それくらい私の脳みそは出来損ないなのだ。

「まず一つめ。Aお姉さんの家族について聞きたいなぁ」
「家族…?えっと、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、私の四人家族だよ」
「どんな人なの?」
「みんな優しいよ。喧嘩はあまりした事ないんじゃないかな」
「何してる人?」
「お父さんは普通のサラリーマン。お母さんは専業主婦。お兄ちゃんは大学生」

淡々と質問される事に淡々と答える。

これが何を意味してるのか…何になるのか…。
分かる筈もない。

ただ聞かれた事に答えれば良いだけなのに、大した事聞かれてないのに、なぜか不安な気持ちになる。

探られている様で心が休まらないからだ。

それは目の前に座る彼らの目つきの問題だろうか。
心の奥底に何か企みがあるように思えてしまう。

余計な詮索は身を滅ぼすと分かっているのに思考が止まらない。

「最後の質問。お姉さんはどっち側の人?」

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作者名:りん | 作成日時:2018年3月22日 22時

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