Give me

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「えっと、どうしてここに？」
「何しようとしてたの」

私の質問を完全無視して尋ねてくる。
そして彼の息が乱れてるのは気のせい？

「電車に乗ろうと…」
「知らないようだから教えてあげるけど、いくら停まる寸前の電車でも当たると痛いんだよ」

…君は何を言っているの？
私の脳みそは不出来だから分からない。
脳内ではそう言えるのに声に出せないだなんてどういう事。

絶賛混乱中の私の手を取りホームから改札まで無理やり引っ張られた。
何この子こんなに小さいのに力半端ないんだけど！

しかも私がぼけっとしている間に駅員さんに話をつけて改札から出させてもらっていた。
もちろん私も手を繋がれているので出ざるを得ないよね。

「Aお姉さんさ、どこ行こうとしてたの？」
「え、だから学校に…」

行くって話さなかったっけ？
私は言った気がするんだけどそれよりも彼が恐ろしい顔をしているものだから自然と背筋が伸びる。

こっわ！なんて顔してるの！可愛いコナン君はどこ！

「何しに学校に行くの？」
「え、勉強ですケド…」

学校って勉強をしに行くところだよね？
あれ…私の中でだけですかね。

変な質問をしている本人はまだおっかない顔をしている。
そろそろそれ止めよう…可愛いお顔が台無しだよ…。

「今日、土曜日だよ」
「……えっ？」

言われた事が信じられなくて携帯で確認してみると、本当に今日は土曜日だった。

あぁ、そういう事か。

ただ単にカレンダーをめくるのを忘れてただけか。
いつもはお母さんが変えてくれてたっけ。

「うっかりしてた…ありがとね、コナン君」
「Aお姉さんさ、今から暇だよね。付いてきてほしいところがあるんだ」

再び手を引っ張る彼は私の話なんか聞く気がないみたい。
この馬鹿力は一体どこから出てきてるのやら。

話してる間、この手を一秒たりとも離さなかったのはもうホラーだよ。

そして君はどこに向かっているの？私をどうする気なの？

また事情聴取でもするのかな、何をしていたのかって。
特に何かをしようとしてたわけじゃないんだよね。
ただぼーっとしてただけ。

沢山の言い訳を頭の中で並べてるうちにある豪邸に着いた。
何ここ、どこぞの貴族のお屋敷か何か？

「広…」
「ボクの知り合いのお兄ちゃんのお家だよ」

君の知り合いの家なのか！
どんだけ顔が広いんだろうか、人脈ありすぎだと思う。

まあそれは置いといて。

どうして私をここに？

怖いんだけど。
疑問しかないんだけど。