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だからといって好きになってしまうだとか、ちょっとでも気が田中に行くことはありえない。と思う。こいつとはただの友達…というか、最近心を開いた友っていうラインだし。
「…ちょっと、離して」
樹「お前結構力弱いのな。50とかあると思ってた」
「ゴリラすぎない？50あるのは慎太郎とかだよ」
「そういえばあいつまた握力上がったらしいよなー」とボソボソ呟く田中。そのタイミングで手が緩んだ為、咄嗟に離す。心なしか、少し残念そうにする田中を横目にまた歩き出す。
そのままの流れで連絡先を聞かれて、交換してなかったっけーってヘラヘラ笑う。…うん、やっぱり田中って案外面白いかもな。高校入ってからダル絡みされてばっかだったけど、もっとちゃんと話せば良かったな、って思ってしまう。
家の前まで着いたとき、明日頑張ろうと声を掛け合いながらお別れをする。明日…か。また去年みたいにジェシーのかっこいい姿見れるかな、って期待しつつお風呂に入って、ご飯を食べて、体育祭前日ならではのドキドキ感を味わいながら寝る。この時間、すっごい好きかもな。
「あぁ〜…眠…」
…と、寝不足のままあっという間に迎えてしまった体育祭当日。いつも通り身支度をして、少し早くに家を出る。緊張だか不安だかが一気に込み上げてきてしまって、昨日あんま寝れなかったんだよな…。
高「眠そうだね」
「そりゃあね、緊張で寝れませんわ」
凛「珍し！Aが睡眠不足とか」
逆に二人が元気すぎて心配。
普段の学校とはまた違う雰囲気で、いろんな国家の旗とかテントとかがあって、the 体育祭！って感じ。懐かしいような、新しいような…。
凛「にしても暑いね〜、晴れは嬉しいけど日焼けしそー」
「今日くらい大丈夫」
凛「寝不足でもAはAだな」
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作者名：Ｙ | 作成日時：2023年5月6日 20時
