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 凛の足の速さには改めて驚いた。体育でタイムを測る時は「まじむりだわ〜遅くなってるもん〜」と50mで7秒台を引き出す女だけある。


 そんな凛はぶっちぎりで一位。一位の旗の前に行った時に目があったからピースをしてみると、全力の笑顔でピースを返してきた。…めちゃくちゃ、可愛かった。



樹「A」
 「ん?なに」
樹「知ってる?」
 「知らない」
樹「まだ言ってねぇ。A障害物競走の補欠だろ?今日佐藤さん休みだから、先生がA出すとか言ってた」
 「…まじ?いやまあ補欠だけど、出る気じゃ…」
樹「よかったな俺がいて。障害物競走まだだから心の準備しとけよ〜」



 …唐突すぎんか?それにしても先生、聞いてないんだけども。障害物競走の補欠ではあるけど、それも周りからの推薦であって…まぁ、文句は言えないか。


 頭でごちゃごちゃ考えていると、報道委員の声で「次は借り物競走です」と聞こえてくる。出る人が「だるいわ〜」とか文句を言っているのを横目に、ジェシーも借り物競走でるんだ…と背中を見送る。



 そんな借り物競走、なかなか面白いもので。お題がたまに「好きな人」とか「気になる人」とかあって、そこで明かされる新たなカップルだとか、残念ながら失恋…してしまう子とか。ジェシー、なんのお題引くんだろ。


 一年生から始まって、二年生、三年生の順番で回ってくる。やっぱりどこかで盛り上がってる声が聞こえて、これも体育祭ならではだなぁ〜と微笑ましくなる。男女で手を取り合いながら走っていく後輩の子を見ると、ジェシーも誰か女の子とあんな風に行くのかなとか考えてしまう。



凛「あ、ジェシーじゃん」
 「んぇ」
凛「めっちゃ間抜けな声!ほらちゃんと見てな?」



 あぁー、心臓が痛い、女の子連れるジェシーとか見たくない。…と、誰に対してなのかもわからない嫉妬もありながら、紙を捲るジェシーを見守る私。ジェシー必死に探しすぎでしょ。


 誰なのかなぁって思いながら見つめていると、ある一点で止まったジェシーの視線。…あれ、私の方向いてる?まさかそんな…



凛「…あんたじゃん」



 この借り物競走、思わぬ方向に進んでいくらしい。

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設定タグ:SixTONES , ジェシー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2023年5月6日 20時

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