Curtain call. 〈Hokuto.M〉 (ページ39)

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『…うん。私ね、北斗のこと好きすぎるんだよ。』

声は震えて、手には力が入って。それでも私は最低限の「好き」を伝えようと声を出した。

ちゃんと届いていただろうか、そのくらい不安もあった。だって、ほら。北斗がこんなにも泣きそうな顔しているもの。

「A…っ、」

袖が余り、指先の少しみえる洋服で、北斗は目を擦った。
まだこころの準備がしっかりとできていないが、言葉の続きを待つ。

「俺も。俺も、ずっと大好き」

しっかりと目を合わせて伝えられた、“大好き”の３文字。完全にこの世界に入り込んでしまったから、無意識に北斗に近寄って抱きつく。泣いている表情を見られたくなかったから。

「ありがとう」、そう呟くと、北斗の手が背中に回ってくる。

誰もいない、誰もくる気配のない公園で。

「ずっとどうしたらいいのかわかんなかった。でもね、俺の周りの友達とかが相談にのってくれて。このままだと前に進めない、ちゃんと話せーって言ってくれたの。

それで俺、ハッとした。何にも言わなきゃ何にもなんないよなって。当たり前なことだけど、全然気づいてなかった。百合花には恐れて、Aのことはずっと頭から離れないし…。」

抱きしめ合ったままそういう北斗。…おんなじだ。私も佳奈からそう言われた。「ちゃんと話そう」って。

…私たち、おんなじタイミングで誰かに相談してたってこと？

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