Curtain call. 〈Hokuto.M〉 (ページ24)

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「…ごめん。苦しくなかった？」
『大、丈夫。』

急にこんなことをされて顔が赤くならないやつがどこにいる。今私すっごい、顔赤いと思う。

私が必死に目線を逸らしても、じっと優しい表情でこちらを見つめられている、気がした。

「帰ろっか」
『うん』

平常心、平常心。車の方へ歩き出した北斗に気付き、私も目線を戻す。

きっと、忘れられない誕生日になったと思う。子供の頃に好きなものを貰った、そのくらいの喜びじゃなくて、もっと大人になったってわかるような喜び。

いろいろ驚いたことはあったけど、私は北斗が好きだと気付いてしまった以上、誤魔化すことも後戻りすることもできない。向こうもこっちの気持ちに気づいちゃったし、こっちも向こうの気持ちに気づいてる。もう、両思いだと確信してもいいだろう。

「乗って」
『ありがと』

「好き」と言葉では伝え合ってない、でもなんとなくそんな気がした。