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テスト前日、誰よりも張り切っていたうちの担任。
牛久保がやる気のない音読で怒られているのを後ろから見ながら教科書へ目を向ける。
国語はまあなんとなくでも大丈夫だろう。
パラパラとページを捲りながら範囲を確認していれば授業終わりのチャイムが鳴った。
「おつかレインボー！」
原田先生は、相変わらずだ。
だけど最近は、クラスのみんなも先生と打ち解け始めていて何となく、平和な雰囲気。
「みっ…水瀬さん…っ！」
教科書を片付けていれば、硬い表情の若林くん。
「っほ、放課後…勉強教えてくれない！？」
勢いよくバンッと机に手を置かれて「おおっ」と思わず声が出た。
勢いに押されて思わず了承してしまった。
放課後、皆が帰りだして若林くんの前の席が空いたので荷物を持ってそこに座る。
若林くんが広げだした教科書を覗き込んで聞いてみた。
「どこが分かんないの？」
「あっ…えっと、」
ここなんだけど、と指された数式をシャーペンを取り出して一緒に解いてみる。
教科書は過程が書いていないことが多いから、自分も復習して覚えれるようにとひとつひとつ砕きながら答えを出していく。
何問か一緒に解いて、おおと嬉しそうにしている若林くんを見て微笑ましくなって笑った。
「ありがとう！助かったよ！」
「いーえ」
にこにこしている若林くんが教科書を閉じたので私も使っていたシャーペンをしまう。
一緒に帰ってもいい？と聞いてきた若林くんに頷いて席を立った。
「水瀬さん、ほんと頭いいよね」
「…そうかな」
「テストだっていつも一番だし、尊敬する…！」
「そんな、何ていうか、やる事がないから勉強してるだけだし…」
「いやいや、そこで勉強をしようって思うところがすごいと思うよ！」
何故かキラキラとした目で見てくる若林くんにそうかなあともう一度言ってみる。
激しく頷いている彼を見て否定するのもあれだし、そう思ってくれているのならそれでもいいかと思うことにした。
そんなに大層なことをしているわけではなくて、本当に勉強に逃げるしかなかっただけなんだけどなぁとも思いながら。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
