3年A組《短編集》

甲斐 何で？ ページ10

私は甲斐の事が好きだ。大好きだ。



でも、何で好きになったのか分からない。いつも見る度にムカついてもう口も聞いてやんない！！って思っててもやっぱり好きなんだ。



先生「じゃあ居残りはAと甲斐くんね。ちゃんと残るように！」

「居残り......」

唯月「ファイト！笑」

涼音「私たち今日塾あるから先帰るね！」



最悪だ...(泣)

しかも寄りによって甲斐と2人だなんて。またイラついたりキュンと来たり苦しくなっちゃうよ、、



〜放課後〜


甲斐「なんでお前と2人なんだよ。はぁ...最悪」

「こ、こっちだって最悪だよ！」



ムカつく。意味わかんない。何考えてるのか全く理解できない。
甲斐はスラスラと問題を解いていく。そこもなんかムカつくし。



甲斐「お先でーす！！」



ガタンッと椅子を鳴らして立ち上がった甲斐はもの凄いスピードで職員室へ向かった。

1人になった教室で全然解いてなくて白紙のプリントの上に顔を伏せる。



「もぉ、ほんとやだ、、」



泣きそうになるのをぐっと堪えてプリントをしなきゃと顔を上げる。



「うわっ」


そこには甲斐がいた。性格に合わないようなつぶらな瞳でこっちを見てくる。



「何なの」

甲斐「いやぁ？ほんとやだって何の事だろーなって思っただけ」

「バカにしないで」



甲斐の真剣な顔を見ればバカにしてるわけじゃないと思ったけど他に言うことが無かったから言うと、



甲斐「心配してるんだけど？」

「...っ、、」



甲斐が甲斐じゃないみたいだ。喋り方も優しくて夕日が教室に射し込んで甲斐の顔を赤く照らす。



「それは、、ありがとう、、？///」



ほらまただ。さっきまで甲斐にムカついてたのに今は大好きになってる。
ほんとどうかしてるよ、私。




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